僕のブログを読んで下さっている皆様へ
現在体調不良の為、入院しております。
まだ、ひと月程はかかりそうです。
この回の後、体調が回復するまでお休みします。
僕の部屋に着くと、愛弓は大きめのバッグから、私が作って来たお昼ごはん、と言って可愛いバンダナで包んだお弁当箱を2つ出した。
少し大きめのプラスチック製のお弁当箱を開けてみた
僕
「あれ? これ何?」
愛弓
「タコスよ。食べたことない? 」
僕
「ない。名前は聞いたことはあるけれど。」
僕はタコスをその時初めて食べた。刻んだレタスと
炒めた挽き肉がサルサソースとよく合って美味しかった。
愛弓
「ねえ、ジョンレノンのダブルファンタジーのアルバム持ってる? 持ってたら聴かせて。」
僕はダブルファンタジーをかけた。
愛弓はWOMANがやはり1番いい曲だと思うと言った
そして歌詞も好きだと言った。
WOMAN 作詞作曲 ジョンレノン
女性よ 僕の複雑な感情と思慮のなさを
上手く表現することは出来ないけれど
結局 僕は永遠に君に借りがあるんだ
女性よ 僕は表現してみようと思う
僕の内に秘めた感情と君への感謝の気持ちを
僕に成功の意味を教えてくれた君に
女性よ 君には分かっているだろう?
男の心のなかには小さな子どもが宿っていることを
どうか思い出して欲しい
僕の人生は君の手のなかにあるということを
女性よ 僕を君の心の側に抱き寄せて欲しい
どんなに離れていても
離れたままにしないで欲しい
結局 それは星々に記された定めなんだ
女性よ どうか説明させて欲しい
君を悲しませたり苦しめたりするつもりなんて
ないってことを
だから繰り返し何回も言わせて欲しい
今もそして永遠に君を愛すると
愛弓
「オノヨーコさんって幸せだったんだと思う。
男の人がこの歌詞を聞いたら、もしかしたら馬鹿にするかもしれない。
でも、私はこの歌詞は正直な歌詞だと思う。
ジョンレノンがこんな正直な歌詞を奥様のオノヨーコさんに書いたのは本当にオノヨーコさんが好きだったからだと思う。
私はオノヨーコさんは本当に幸せだったと思う。」
夕方になりクリスマス料理を作り始めた。
僕の部屋にはオーブントースターがあるだけで、
電気オーブンもガスオーブンもなかったので、
ローストチキンは調理された物を買って来た。
愛弓
「優雨樹って、クリームコロッケ好きでしょ?」
僕
「どうしてわかるの?」
愛弓
「やっぱり。ミックスフライとか食べても、いつも最後にクリームコロッケを食べるから。」
僕
「恥ずかしいけど、僕は高校生になるまでクリームコロッケを食べたことがなかったんだよ。おふくろも働いていたから、家で食べるコロッケは惣菜屋のポテトコロッケかカレーコロッケだった。給食のコロッケもポテトコロッケだった。高校1年生の時に友だちの家に泊りがけで遊びに行った時、その友だちのおふくろさんが夕飯にクリームコロッケを出してくれた。
食べた時、こんな美味しいコロッケがあるんだと思った。それから大好きになったんだよ。」
愛弓
「私、クリームコロッケには自信があるの。これこら作るから楽しみにしていて。」
僕はアボカドを縦に2つに切り、種を出した窪みに
ワサビ醤油を入れてスプーンで掬って食べる物を作った。
そして、愛弓に頼まれて金属製のボウルに生クリームのもとを入れて、泡立て器でかき混ぜた。
愛弓
「生クリームは力じゃないの。力を入れてかき混ぜても生クリームにならないの。こうやって、かき混ぜると言うよりも、空気を入れて泡立てる感じにやってみて。」
最初は生クリームになる気配は全然なかったが、少しの間泡立てていると、とろみが出て来て少しずつ固まって行き、漸く生クリームになった。
愛弓は家で焼いて来たスポンジケーキに僕が作った生クリームを塗り、カットしたフルーツをトッピングしてケーキを完成させた。
僕たちはシャンメリーをグラスに注ぎ、メリークリスマス! と言って乾杯した。
愛弓の作ったクリームコロッケは美味しいと思った。
愛弓
「私の名前のあゆみは愛の弓って書くでしょ。
私、子供の頃、この名前が恥ずかしかった。
あゆみって、例えば歩美と安由美でしょ? 愛という字を使う場合でも、愛優美とか愛由美だと思うの。他には、安裕美とかね。」
僕
「僕はいい名前だと思うけどなぁ。」
愛弓
「今はね。でも、高校生位まではなんかね~。
両親は愛という言葉が好きで、愛の弓を射って愛を広げる人になって欲しいと思って付けたみたいだけど。
高校生位までは何か恥ずかしかったなぁ〜。
ねえ、カセットテープを持って来たの。かけてもいい? ユーミンの恋人がサンタクロース。
クリスマスに合う曲ってあまりないよね。」
*これは1980年の話しです。山下達郎さんの
クリスマス・イブは1983年に発表されました。
愛弓が何かクリスマスソングない?
と言ったので、僕はジョンレノンのHappy Xmasを
かけた。
愛弓
「ねえ、バックコーラスで子供たちは何て歌っているの?」
僕
「War is over. If you want it. War is over down.
(戦争は終わります。あなたがそれを望めば。
戦争は終わるのです。)」
愛弓
「そう歌ってたんだ。ねえケーキ食べよう。」
愛弓が作ってくれたケーキは美味しかった。
愛弓
「私のクリスマスプレゼントはクリスマスイブに
この優雨樹の部屋に泊まること。両親の許可は取って来たから。茉莉子さんの部屋に泊まるって。
言い訳に使わせてもらっちゃった。
ねえ、クリスマスプレゼントは私の勝ちにして。
ても優雨樹のプレゼントも素敵だったから、引き分け
でもレディファーストで私の勝ち、にして。」
僕
「いいよ。でも物でないもので何を愛弓にプレゼントすればいいか、思い浮かばなかったんだよ。」
愛弓
「優雨樹の心から茉莉子さんを全部追い出すこと。
いい? 残ってたら引っ叩くわよ。」
朝方4時頃、寒さで目を覚ました。
電気ストーブのスイッチを入れようと起き上がると
愛弓
「どうしたの?」
僕
「寒くて目が覚めた。電気ストーブを入れようと思って。あっ、おふくろが送ってくれたかいまきがあった」
愛弓
「かいまきって。」
僕は愛弓にかいまきを見せた。
愛弓
「お布団に袖が付いてるの? 初めて見た。」
愛弓にかいまきを着させると暖かいと言った。
僕はアウトドア用の寝袋に入りその上に愛弓に布団をかけてもらった。
愛弓
「優雨樹、私は豊かになりたいんじゃなくて幸せになりたいんだからね。
ねえ、年末年始休みは帰省しないといけない?」
僕
「そんなことないよ。」
愛弓
「優雨樹は、長野県の人だからスキーが滑れるよね?」
僕
「みんなにそう言われるんだけど。僕はスキーは少ししか滑れない。僕の地元の諏訪からはスキー場が遠いから、冬はスキーじゃなくてスケートをしていた。
だから、長野県の人はスキーを滑れるか、スケートが出来るか、のどちらかなんだ。」
愛弓
「でも全然滑れないわけじゃないんでしょ?
私は全然滑れない。教えて。
私、昨日、旅行代理店に行って探してもらったら、
年末の31日から年明け2日まで、スキー場のホテルでキャンセルが出て、予約出来たの。
ねえ、一緒に行こう。」
僕
「何処のスキー場?」
愛弓
「栂池高原スキー場だけど、何処にあるの?」
僕
「長野県の小谷村だよ。中央本線で行く。僕の地元の諏訪も通る。でも、31日じゃ、特急あずさは満席のはず。どうしようかな?」
愛弓
「今から年末の特急の座席指定なんて無理よね。」
僕
「愛弓、夜行列車に挑戦してみないか?
新宿駅、正確には始発は東京駅を夜の11時半頃出る各駅停車の列車。朝6時頃松本駅に着く。松本まで行ってしまえば、小谷村までは何とかなると思う。
つまり、出発は30日の夜の11時半頃。
車内販売はないけど、大きな駅では食べ物を売りに来る。停車時間が長い駅では駅の売店や自販機も使える
挑戦してみる?
それに夜行列車は、年末でも空いている。」
愛弓
「面白そう。挑戦してみる。」
*これは1980年の話しです。現在はこの夜行列車は運行されていません。
まだ朝の4時半だったが、ふたりとも目が覚めて
眠れなくなった。
愛弓は僕が淹れた珈琲を美味しいと言って飲んだ。
綺麗な朝焼けが見えて来た。
僕はハムエッグを2つ作った。愛弓は食パンをオーブントースターに入れ、冷蔵庫からヨーグルトを出して
クリスマスケーキを作る時に残ったカットフルーツを入れた。
僕がチーズを冷蔵庫から取り出すと、愛弓は、
優雨樹が1番好きな食べ物ってチーズでしょ?
と言った。
僕が、どうして分かるの? と言ったら、愛弓は、
チーズを食べながらパンを食べている時の僕の顔は
いつでも幸せそうに見えるから、と言って笑った。
朝食を食べ終わると、
僕は愛弓と持ち物をリストアップし、
朝9時過ぎに、ふたりで買い物に出かけた。
つづく