低血糖症の恐怖 16 ~糖尿病と低血糖症~
低血糖症の治療の続きです。
GI値などの具体的な話に進む前に、低血糖症の概略について書いておきます。
(初めての方は低血糖症の恐怖1 よりお読みください)
低血糖症の症状は、低血糖そのものによる症状、ホルモンの異常分泌による症状、そして栄養欠乏による症状が、渾然一体となって現れます。
そこに、ストレス(精神的なものまたは感染や怪我などの身体的なもの)や、その他の刺激物(カフェインやアルコール、薬など)などが、症状の程度に関与していきます。
低血糖症の原因とは、画一的なものではなく、とても複雑なものです。
ヒトの体は非常に精巧で複雑に構築された小宇宙であり、様々な外的・内的要因を察知し、柔軟に適応していくことができる素晴らしい仕組みをもっています。
しかし、あまりにも急激すぎる変化についていくことは困難です。
我々は現在、人類史上稀に見る急激な変化にさらされています。
特に食物の質の変化はダイレクトに人体に影響を及ぼすものであり、そのあまりにも急激な変化に私達の体は適応することができず(しようとしてはいるのですが)、その結果、体内環境に狂いが生じます。
それが低血糖症です。
一言で低血糖症と言っても個人差も大きく、対処法も違います。
ですので、低血糖症の治療は全人的な治療であるべきです。
(他の病気であっても当然そうですが…)
血糖は、人体がまず最初に利用するエネルギー源であり、そのレベル(血糖値)を適当な濃度に維持しておくことは、生命維持の観点でとても重要なことです。
生命活動を行う上で、根本的に厳密に一定の範囲内におさまっているべき大切な物質のひとつが血糖なのです。
糖尿病と低血糖症は一見まったく反対の疾患に見えますが、その大切な血糖値に狂いが生じる、という点では、実は同じ範疇の疾患と言えます。
ですので、糖尿病の治療と低血糖症の治療は、実はコンセプトがほとんど同じです。
糖尿病、そして低血糖症の治療の柱とは、大きく分けると
① 血糖値を安定させる
② 栄養欠乏を是正する
の2本立てに集約されます。
②は言わずもがなの栄養療法です。
分子栄養学的な立場から言わせていただけば、現代医学的な糖尿病の治療(血糖降下剤やインスリン注射など)はあくまでも補助的な対症療法であるとご理解いただきたいものです(糖尿病の分子栄養学的アプローチに関してはまた後日。)。
そして①のために大切なのが、食事療法です。
長くなってしまったので、続きはまた。
(もったいぶってすみません。。)