歌詠みは心をひらく訓練か 「大切にせむ」口走りけり
口走るといへども 君の表情を 見上げるほどのゆとりぞなかりき

帰りくるといえども君はなおいっそう 遠くに見えるような気がする


壁に沿い這い上がる蔦のようなもの その先へ手を取り引き上げて

向かい合う瞬間よりも 同じ方見る瞬間よりも 背中合わせ

「じゃ、またね」と言ってくれない別れ際 「お疲れ」じゃない「あした」じゃない

垣間見る あなたを作った十五年 わたしは生まれてさえいない日々
笑い合う写真見つけてほろ苦し せめて十年早く生まれれば