教師たるもの五者たれ | ヒャクゴウ、地球を駆け抜ける

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思いっきりやりたいことを、真剣勝負でやります。そんなヒャクゴウの日々の記録とたわごと

「この手の本はね~ちょっと・・・」と顔をしかめる方もいらっしゃるのでしょうが、
わたしはビジネス書や、その中に含まれる自己啓発書も、偏見を持たず、素直な気持ちで読みます。

その本がいいかどうかは読んでから自分が判断すればいいことですし。
一冊ずつ違う個性があるのでしょうから、カテゴリーで一くくりにしてしまうのもどうかと。

そんなわけで、先週~先々週あたりはビジネス書のコーナーで、いろいろ物色していたヒャクゴウです。

そんな中、予備校の先生が書かれた本を見つけました

できる人の教え方/安河内 哲也

¥1,365
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予備校での講師歴20年という「教える」ことのベテラン先生による教え方伝授本です。

わたしも塾での講師をやっていた時期を入れたら教える仕事は11年目なので、
「あ、わたしもやってる」とか「そうそう」と頷ける部分も色々あったのですが、
当然ですが新たに学ぶことも色々ありました。

今回ご紹介したいのはこの言葉

「教師たるもの、五者たれ」

有名な格言のようなので、すでにご存じの方もいらっしゃるかとは思いますが、

五者とは

①学者
  
これは言うまでもありませんね。教える内容に関して100も1000も学んで知っておく必要があるということです。
また教師自らが学び続けると、その姿勢が生徒たちにも波及するものです。

②役者

話す際の抑揚や間、視線の配り方、身だしなみ、服装など

個人的には「いかにも教師らしい」装いとか、そういう枠にはまるのは我慢ならないんですが、
そういうマニュアル化されたものというよりかは、見られる立場であること、人を引き付けなければならない立場であることを頭に置けば、おのずと見えてくることだと思います。

③易者

「占い師?なんで?」もちろん、だれにも未来を完璧に予想することはできませんが、
相手が不安になってしまっている、とかスランプに陥っているときに
「今はそういう時期だけど、大丈夫よ」と説得力のある占い師のように、相手の不安を解消してあげる役割も担います。
コーチングの技術が必要だというのも、こういうことですね。
これは特に進路指導とかしてると、本当に必要だなと痛感します。

④芸者

「ゲイシャガール」のことではなく(笑)「芸人」といった方がわかりやすいでしょうね。
教師はエンターテイナーであれ、ということです。
特に60分ないし90分、又はそれ以上の時間学習者の集中力をとぎらせず、授業に引き付けるには
ただ役に立つことを言い続ければいい訳ではありません。
時間をある程度ブロック分けして、緩急のリズムを作り、且つ笑いも取り入れ、学習者とのやり取りも含めながら授業をしていく必要があります。

⑤医者

これは学習者がどういう正確でどういう学習スタイルがいいのかを見極める必要があるということです。
たとえば、東アジア系の学習者なら暗記系は得意だから、そういうものをやってもらっても特に抵抗はないけれど、欧米のように暗記ではなくアウトプットが得意な文化圏では暗記モノをガンガンやってもらっていてはクレームが飛ぶ、でも覚えてもらうにはどうしたらいいか、ということでしょうか。


こうしてみると、教師業って奥が深いですよね。

そのほかにも

「20分に一回のリセットのリズムで飽きさせない」
「教えるべき大事な内容は配布資料には書かない」
「ある程度できるようになったら、一度谷に落とす」

などなど、教えるテクニックのツボが多々書かれています。

先生だけではなく、後輩や部下を指導する立場にいる方々にも良い本だと思いますよ。

お読みいただき、ありがとうございました

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