<のびのび体験記>

 

2、聴覚で開く心の

 

 「聴覚アートセラピー」とは何?

 母親の胎内にいた頃、子どもたちは日々母親の羊水を通して伝わってくる8,000HZ(ヘルツ)の高周波を聞いていたはず。子どもたちが視覚、目が開く前に、聴覚、耳から入る情報で脳が刺激されていたはず。その聴覚をヒントに、素材作業する方法。五感アートセラピーの一つである。

 

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 小学校に入学して、集団規則言語に従い生活する子どもたちにとって、母国語の定着が必須となる。愛情にゆだねていた生活から、言葉による人間関係を学び始めるのである。

 7歳から8歳の時代は母国語が耳を通して定着する年齢。同時に、好きなお絵描きも学校での比較、写生という枠での絵画に変化し、指導が入って行くのである。
 絵の好き嫌いというよりも、「下手」「苦手」という左脳の言語意識の世界に入ってきますので、イメージする世界から遠のいて行く頃。

 

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◆ 学校に通うようになって、絵が嫌い、下手という意識が生まれた、通信で学ぶA君。

 自宅で学ぶ効果は、養育環境の確保です。学校では「いじめ」などの問題が生じ安い環境です。母親が愛着行動に対応しやすくする事が出来る効果がある。

 

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 ・ワンポイント アドバイス

  イギリスの精神科医ジョン・ボウルビィが、第二次世界大戦後、WH0が戦災遺児の  報告書の中で母性愛について書いている。それまで、精神分析の理論では、空腹という生理的欲求を満たしてもらう母子の結びつきを、母親と接触を維持しようとする欲求「愛着行動」であるとした。

 

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 通信で学ぶことになったきっかけは、学校での「いじめ」にある。
 人よりも行動、話し方がゆっくりというのが母親の考えだった。それも、学校で友達と交流することで、直ると思っていた。しかし、「もう学校に行かない」という子どもの声、その一言から、学校には任されない、家庭でやらないことがあると感じたのがきっかけであった。家族で守ってあげられることを探し、「五感アートセラピーの通信教育」の門を叩くこととなった。

 

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 ・ワンポイント アドバイス

  子どもを守ることで、子どもとの、愛の絆を強めることが出来る。
  過度の愛情をかけ過ぎるのは問題があるとして、「いじめ」に対し、真っ正面から子どもの声を聞くべき。

 A君の家族は、家族で学ぶことを通して、それぞれの個性とであった。母親の表現、父親の表現、弟の表現、お互いの個性を見る事で、同じものを描かない、好きなものを描いている姿、また家族で描いている開放感を感じる様になった。

 

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 ある日の聴覚アートセラピーには、A君は「ゴーン」「ヤッホー」「チィーン」を思い出し、母親は、「ボーン」「ドーン」「ピチャ」、父親は「サラ」「ゴー」「シャン」という音を思い出し、絵を描いた。

 A君は、お寺の鐘の絵を描き、遠くの山には人が「ヤッホー」と叫んでいる絵を描いた。
 絵の次は、工作。A君は、木で釣り鐘とやぐらを作った。

 母親は「ピチャ」を使い、池の水鳥の羽の音を考えて、木で水鳥を作った。

 父親は「サラ」の音を使い、竹の林を作った。その結果、家族でお寺の敷地にありそうな風景を作り出していた。思わぬ事に、三人の作業は別々にやっていたにもかかわらず、シンクロナイズの世界を作り出していたのであった。

この事がきっかけで、A君は思い出す事、作る事が大好きになった。

 

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 聴覚アートセラピーは、左脳の耳(言語耳)になっている大人がやっても、右脳の直感像の記憶を簡単に取り出す事ができる。あたかも退行催眠をかけたかの様に、昔の思い出が走馬灯(そうまとう)のように走り出す作業でした。心の景色を鮮明に表現する手助けをしたのである。

 A君の家族の場合も、A君のこだわりに対し目を向け始め、一言で一笑するのではなく、ひとつの事を両親でゆっくりと、作品を作る中でわかりやすく説明する習慣が身についた。

 

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 「出来ない」という子どもの、心のシコリに対し、母親も、一つの事を十段階に分解するかの様に、実際の共同作業の中で実際にやって見せたのである。その心のつながりが、他の物事にも連鎖し始め、A君も「出来ない」と言う前に、母親に質問する心が芽生えた。

 仕事で忙しくなっている両親との、ほっとした月一度の作業は、知らずのうちに子どもの心を育てていたのである。

 

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 学校の先生方に、「聴覚アートセラピー」を教えていた時、一人の先生が突然涙を流し、おえつした事がある。
 風鈴の音が好きだった父親の事を思い出したのです。お隣の人は風鈴の音が嫌いだった様で、風鈴の音が聞こえると「うるさい」と怒鳴ってきた。それらの事が走馬灯のように思い出されたので涙が出てきた。人にはそれぞれ思い出の音がある。
 「うるさい」といった人にも音の思い出が有ったことになる。

 音と出会う心育て!音楽の前段階に心の音色(ねいろ)、琴線(きんせん)を奏(かな)でるコツが身につくと良いですね。皆さんも、親子の琴線を感じる音との遊びを大切に。

 

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