突如現れた「親戚の赤ちゃん、タクヤくん」


毎月の面会のたび、現れるようになった。


「タクヤくんのお母さんが、おばあちゃん家に連れて来るの?」

と子供達に聞くと、


「パパが連れてくるよ」

と無邪気に答える。


ふぅーん。ますます怪しい…


その疑惑が確信に変わったのは、


「面会のとき、子供達と母さん達と、温泉に一泊行ってもいい?」とケンジから打診があったとき。


近場だし、一泊ならいいか、と送り出した。


帰宅した子供達。

「楽しかったよー!」

と満面の笑顔。良かった。


「誰が一緒に行ったの?おじいちゃんはお仕事で行かなかったかな?」


「うん。パパと、おばあちゃんと、パパの妹ちゃんと…」


妹ちゃんも行ったんだねー、それは楽しかっ…


「タクヤくん」


は?