少年は考えた。何か最後の日にすることはないか、と
よくよく思えばその日は少年の誕生日で皆に誕生日を祝ってもらえるのが最後の思い出になるのではないかと考えた。皆は少年を笑顔でおめでとうと言ってくれた。そう、みんなは知らないから。少年の日々は今日で終わりだということを。ケーキにろうそくの灯がともされ照明を消し、ろうそくの火だけが揺れている。暗い中ろうそくの火はゆらゆらともえ何か訴えかけているようにも見えた。
少年は涙をこらえながら息を吸った。ふうっと息を吹きかけるとろうそくの火は、跡形もなく消えた。
皆でケーキを食べた。少年のケーキにはプレートで誕生日おめでとうという文字が書かれている。
15歳の少年その誕生日が15歳の最初で最後の日となった。
その日少年は病院で入院することとなった。寝静まった病棟で、少年は泣いた。声を押し殺して泣いていたのだろうけど、かすかにその悲しそうな声は、病棟に響いた。誕生日プレゼント。少年は願った。また同じように生きられる日々をください・・・と。そして少年は静かに目を閉じた。
翌朝、少年は目を覚ました。同じ日々、少年にとっての幸せな日々が始まった。
少年は笑顔で日々を送っている。