世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の違法な勧誘で献金させられたとして、元信者の女性の遺族が教団側に約6500万円の損害賠償を求めた訴訟の上告審判決が最高裁でありました。

 

 女性は70歳代だった2005年以後、1億円以上を教団に献金し、公証役場で「返金や惨害賠償を求める裁判を一切起こさない」との念書に署名・押印しました。

 

 最高裁は、女性が長年、教団の影響下にあり、念書締結の半年後には認知症になっていることなどから、教団側が「女性の合理的な判断が困難になっている状態を利用しており、念書は公序良俗に反して無効だ」と述べています。

 

 判決は、念書の内容に女性が合意する様子を、教団側がビデオ撮影していたとも指摘し、念書締結は、女性が自主的に行ったのではなく、教団が主導したことを示すものだと判断したと思われます。

 

 最高裁の判断は、念書の存在が障壁になり、これまで泣き寝入りしてきた元信者らの損害賠償請求の後押しをするものと思われます。

 

 最高裁は今回、身内の不幸を抱えた女性が土地を売ってまで献金した点を「異例」のことだと判断し、「献金額は、女性の生活の維持に無視できない影響を及ぼすものだった」と指弾しています。

 

そして、そのうえで、教団側の献金勧誘の違法性について、高裁で審理をやり直すよう命じたのです。

 

< 「やっと真面な判決が出たな」と思いました。普通の人間が考えれば、あまりにも高額な献金は「公序良俗に反する」と思うのが当たり前で、地裁・高裁の裁判官の、余りにも世間の常識とかけ離れた考えに驚くばかりです。

 

このところの、検事と裁判官の国家権力を振り回す行為の歯止めにならないかと、期待しています。>