一枚岩を演出する中国、ロシアですが、最近のロシアと北朝鮮の急接近に「中国が不安を抱いている」(米国のカート・キャンベル国務副長官)との見方があります。長年、北朝鮮の後ろ盾となってきた中国の影響力が低下し、朝鮮半島が不安定化する恐れを感じているのです。

 

中国は表面上、ロシアと北朝鮮の動きを「2国間協力の事柄」と静観していますが、実際のところ、ロシアの支援で自信を持った北朝鮮が核実験を強行するなど制御不能になる事態は回収したいとみられるのです。

 

景気が低迷する中国は、すでにウクライナ情勢などを巡り国内企業が米欧の制裁企業となっており、ロシア、北朝鮮との連携を理由にさらに米欧の経済制を受ける事態は避けたいのです。なんと、プーチン氏が5月に訪中した際、中国側が直後に北朝鮮を訪問しないよう求めたとの情報もあります。

 

 その中国も、これまでロシアが「勢力圏」とみてきた中央アジアで影響力拡大に動いています。ロシアが、旧ソ連を構成した中央アジアを「裏庭」とみなしている5か国と中国は昨年首脳会議を開催したほか、習氏は今回カザフスタン訪問に続き、タジキスタンを訪問する予定です。

 

ロシアは、自身の「裏庭」に入り込む中国の動きに神経をとがらせているとみられます。またウクライナ侵略を巡ってロシアは、中国から軍民両用品の輸出以上に踏み込んだ支援を期待していましたが5月の首脳会談では「望み通りの成果は得られなかった」とみられています。

 

 北朝鮮も5月に開催された日中韓首脳会談の共同宣言に「朝鮮半島の非核化」の文言が盛り込まれた際に鋭く反発しており、対米欧では一致していても、3か国間には微妙な隙間風が吹いているのです。

 

< だいぶ前にも欄外で書きましたが、中国は北朝鮮の核開発には反対なのです。それを手助けするロシアに反発しており、原油の交渉も未だまとまっていません。>