ウクライナのゼレンスキー大統領は21日、6月15~16日にスイス中部ルシェルン近郊で開かれるウクライナに関する首脳会議「平和サミット」で、食料安全保障など3項目の合意を目指す方針を示しました。

 

これまで主張してきた10項目から絞り込み、多くの国の支持を集める狙いがあるとみられ、米紙ニューヨーク・タイムズのインタビューで明らかにしたのです。

 

 ロシアが黒海の穀物輸送を妨害し、アジアやアフリカなどで食料価格高騰を招いたと指摘した上で「食料がいわば兵器になっている。どこかで飢饉が起きる可能性がある」と強調し、

 

ロシア軍が占領したザポリージャ原子力発電所でウクライナの技術者が管理業務に従事する現状について「技術者がいなくなれば、間違いなく原発事故が起きる」と対処の必要性を訴え、

 

人道的な措置として、互いの全捕虜の交換とリシアに拉致された子供、約2万人の帰還を挙げました。

 

ゼレンスキー氏は、この食料安保、ザポリージャ原発、捕虜や子供の帰還の3点について「詳細な計画を作り、ロシアの代表に渡すべきだ」と訴えることにしたのです。

 

 ウクライナは全領土からのロシア軍撤退を含む「10項目の和平案」を提唱し、各国の支持を取り付け、ロシアの孤立化を図る戦略でしたが、新興・途上国「グローバル・サウス」との関係を維持する国もあり、支持拡大に苦戦していました。

 

先進7か国(G7)関係者によりますと、ウクライナは平和サミットでも10項目の議論を求めましたが他国の説得を受け、理解を得やすい3項目に限定することになったといいます。

 

    10項目の和平案

 3項目 ①原発の安全確保 ②黒海の安全で自由な航行 ③軍捕虜や拉致された

     子供らの帰還

 7項目 ④破壊された発電所などの復旧 ⑤東・南部4州とクリミアの返還

     ⑥全領土からのロシア軍の撤退 ⑦民間人虐殺などの調査 ⑧侵略に伴

     う森林破壊や水質汚染などへの対処 ⑨ウクライナの安全を保障する枠

     組み作り ⑩ウクライナが掲げる条件に基づく終戦

 

< ウクライナにとっては屈辱的な和平案ですが、飲まざるを得ない状況が現実であることを肝に銘じたと思います。残されたのは領土問題だけになると思われます。

米欧諸国の本音が見えますね!。>