ふたばの「嵐小説」 -25ページ目

捕まえて… 10話

潤side

――――――――

目が覚めたら…

和さんはいなかった。


潤「今何時だ……」


8:00


潤「やっべ…8時間オーバー!?」

1万×8時間 + 2万円

潤「じゅ……10万円!?」


最悪だ!!!

でも………
あの夜は
10万ほどの価値があったんじゃないか。
そう思う……



潤「和さん………」



俺は、まだあの人の香りのする
毛布を抱きしめた。

彼が眠りにつくまで
ずっと抱きしめた。

彼のそばにずっといたくて…
離れたくなくて…



潤「和さん…和………」



何度もあの人の名前を呼んだ。


俺は彼に溺れてる。

昨日会った遠藤さんと一緒だ。



和さんを抱きたい。

あの柔らかくて
甘い香りのする肌に
触れたい。

自分だけのものにしたい。



彼に―――――

どうしようもなく会いたい―――――



潤「ふぅ……帰ろう……」



時間的に学校は遅刻だ。

俺は部屋に備え付けてある
シャワーを浴びた。

一旦家に帰って制服を着なきゃいけない。

服を着ていたら
机に紙とあの赤い名刺が置いてあるのを見つけた。




To潤くん

お客様の予約があるので
一足先に出ます。

部屋は9時まで入れるように
してあるので
学校に遅刻しないように出てください。

よかったら
また遊びに来てください。

携帯の番号書いときます。
090~~~~~

予約の際は
僕の携帯か店に電話してください。

それじゃあまた。




PS
今日の分のお代は
僕が払っておきました。
延長は僕のせいなので。

それと
ありがとう。




可愛らしい字でかかれた
手紙…

俺のために
書いた手紙………


俺はその手紙を
無くさないように
生徒手帳に入れた。


潤「ん…何これ…」


手帳から……
誰かの名刺。


潤「二宮…和也…?」


千紗からもらった赤い名刺じゃなかった。

潤「もしかして…本名…?」


なぜ和さんがその名刺を
俺にくれたのか分からないけど…

嬉しかった。

俺だけ特別なのかな?
そう思えた…










俺は店を出て振り返った。


いつか…
ここから和さんを連れ去りたい。

俺が彼を幸せにしたい。




彼を愛してる……



彼に愛されたい……




潤「好きだ………」


涙が零れた。


必ず俺が救いだす…