■まだネタバレなし

多くの方が面白い、と言っているものは大体面白いし楽しいです。

だからシン・ゴジラを観るのを非常に楽しみにしていました。

当然面白くてパンフ買っちゃったしね。

 

 

大体、にはもれなく例外がついてきます。

太陽ないし移動に困難を感じる人込み前提の楽しみは人が楽しいと言っても素直に受け取ることが出来ません。

 

というわけで、海・キャンプ・フェス・クラブ・パーティ(パーティだけは規模とかテーマによる)あたりは楽しむのに気合いと躊躇がありますが、未だ手をつけていないオリンピック観戦をはじめとしたスポーツ観戦・ポケモンGO・・・等々はきっかけさえあれば寝食を忘れてでも楽しむんだと思います。

夏はちゃんと浴衣を着ますしね。今年はかき氷もたくさん食べていますしね。

 

そういえば夕方頃に友達とLINEでこんな会話をしました。

「さっき佐々木×川元のトークライブ行ってきてこれからシン・ゴジラを観に行く」

「リア充だな」

 

その時既に2杯ほど飲んでいたことを考えるとやっぱりあたしは超リア充で、中学生あたりが勘違いしている「リア充=恋人がいる人」の図式は簡単に崩れ去るのです。

わかりましたか?中学生あたり?

 

 

そんな超リア充のあたしでも、今日という一日で面白いことをポンポン言える人とオタクには絶対敵わないなと軽くショックを受けたわけです。佐々木×川元(と今日はモグライダーの芝)及びシン・ゴジラのせいで、です。

 

佐々木×川元トークライブの話はたまーにしているので、今日はきっとネット上でごまんとあるジン・ゴジラの感想を書こうと思います

感想を書きたくてたまらなくなるあたり、「映画=非日常」であるあたしがなせる俗っぽさと微笑んでいただけると幸いでございます。

 

あたしは映画をほとんど観ません。映画を観なさ過ぎて戒めがてらWOWOWに加入したのですが、結局観るのは芝居関係の番組ばかりです。

 

思い出せる限りここ5年ほどで映画館で観た映画は

 

エヴァンゲリヲン破・Q(当然序も観てるけどあれはもう5年以上前なんだね)

レ・ミゼラブル

テラスハウス

DENKIGROOVE THE MOVIE

怪物くん(嵐関連は結構観たな)

ピーターブルックの世界一受けたいお稽古

 

だけだと思います。

珍遊記とかもね、迷ったけどね。FAKEも観るかな、どうかな。

これだけ映画から遠い生活を送っているのです。

 

映画館にはよほどのモチベーションかお誘いがなければ近づかないのですが、今回あたしのモチベーションの根源はまずこの人。

 

 

道しるべという行きつけの焼き鳥屋の店員という紹介も間違ってはいないのですが、天皇の料理番出演をはじめチョコチョコ仕事が増えてきている売れかけ手前の役者、松本雄大です、が推しの彼紹介です。

シン・ゴジラにも出演しているということで、店員&行きつけ一同で彼を探しに行こうと絶賛盛り上がり中なのです。

 

好きな役者が出ている映画でも滅多に映画館に行かないあたしなので、ちょっと気を抜くと「テレビでいいか」と思っていたのは特に雄大には内緒です。

 

 

題名でも内容でも薄々気が付いている方がいらっしゃるかと思いますが、あたしはエヴァンゲリオンが結構好きです。エヴァンゲリオンに関しては観たことある程度から聖書を読み漁って世界観を堪能している人までレベルが様々なので、結構好きという表現に留めておきます。

 

エヴァンゲリオンとドラゴンクエスト(なんやかんや何周か回ってやっぱりⅢが一番)のキャラクターやストーリー、そして音楽にひかれるのって最早日本人のDNAレベルの何かだと信じてやみません。

 

 

監督・庵野秀明に関しては

 

エヴァの生みの親

⇒で、映画の公開時期はあってないようなもの。延期が前提。

 

結構なオタク(妻・安野モヨ子のマンガ「監督不行届」より)

⇒範囲も多岐。不行届の2.5頭身の絵は夫婦ともかわいい。

 

ジブリで声優

⇒なんかやってたよね。

 

くらいは知っています。

 

7月頃セブンイレブンでパンを2個買ったらエヴァ×ゴジラのグッズ差し上げ、みたいなキャンペーンでちゃっかりノートをもらっておきながら、ジン・ゴジラの監督が庵野秀明だということに関しては公開直前に知りました。

詰めの甘さが出まくりです。

 

エヴァンゲリオンが結構好きレベルでは監督が生みの親だからって、それがどうしたって話なのでした。

 

あたしの劇場行きを決定づけたのはこの動画です。

 

シン・ゴジラを観る予定がない方でもエヴァンゲリオンを少しでも知っているなら、このダラダラの記事を読むよりもこの動画を観る方がよほど有益な時間を過ごせます。

ありがとう、これを拡散してくれたよしかちゃん。

 

かっこええです、マジでこれは。


で、シン・ゴジラはエヴァンゲリオンの実写版だとか言い出す人まで出てきたからには行くしかありません。

 

 

 

さて鑑賞。

ここまで読んでいる方がどれだけいるのかって話ですが、以下ネタバレ注意と書いておきます。

 

 

■冒頭

古ぼけたタイトルロールに往年のゴジラへのリスペクトがあるのでしょうか。ステキ。

 

のっけから想定外の事態に関してイマイチ意思決定が出来ない政府の様子にあたしは何回か声を出して笑いそうになりました。

・・・そうになりました、なのは周りがシーンとしていたからです。

 

あたしはあの滑稽な様を東京03かシソンヌあたりが作った巧妙なコントかなんかだと思っていた節があります。だから随分ほのぼのとはじまるな、なんて構えていたのです。

 

ただ周りの皆さんは、3・11はじめ様々な経験からあの様子を深刻な日本の有様としてとらえていたのでしょう。笑えないなって感じる人が多かったのもわからないでもないです。

特別重い客ってわけでもなかったのは、高橋一生の「ごめんなさい」で笑いが起こったことからも明らかです。

 

呑気なもんです、平和ボケぴろよ。

 

ただね、お笑いって時代風刺からも生まれるとも思うのです。それをふまえた上で、庵野秀明ってお茶目なんだな、というのが世が世なら(って多分もうそういう世の中なのですが)恥ずかしい感想を持ったというのが混じり気のないあたしです。

 

陸に上がってきたばかりのゴジラの目が大きくてかわいかったのもプってなったし。

 

 

■見つけた!&どこ~?

終わった直後、「野村萬斎ってどこに出てた?」ととぼけた疑問を持つくらい前提知識がない状態で鑑賞に臨んだわけですが、エンドロールにも注目せざるを得ない豪華な俳優陣を探すことにもこの映画の楽しみがありました。協賛企業、協力者の多さも尋常じゃなかったですね。お金をかけたエンターテインメント万歳です。

 

個人的には古田新太と松尾スズキの贅沢使いにゾクゾクしました。無駄使いではないです、贅沢使いです。

 

経歴にシン・ゴジラ出演と表現するのもされるのも万感の思いが交錯するのでは、と想像するだけでうっとりします。

 

ただね、粟根まことはどこにいましたか。

わかりました、また観るかなんとかして探してみせよう、粟根さん。

 

 

で、ここで言います。この早さなら言えるってやつです。

雄大、ごめん。本当にいろんなことに気がいってたので君を見つけることは出来ませんでした。でもね、粟根まことを見つけることが出来なかったのよ。そう君は粟根まことだと思って許してください。さがすから、また観て探すから。

 

 

■オタクってすげぇ

国防・法律・戦闘・地形・生物学・・・・情熱とこだわりがそこかしこに散りばめられています。

そのあたりを知りたくてパンフレットを買ってみましたが書いてあることだけでもついていくのにやっとでした。

 

かねがねオタクの方の独自の視点や知識の豊富さや記憶力の良さには嫉妬まじりの尊敬の念がありましたが、今日はこんなことも考えていました。

ファンがなんでも受け入れる人種だとしたらオタクは矛盾を見つけ楽しんだり修正したりする人種かと。

オタクが見つけた矛盾をネットかなんかで拾って楽しむのもファンと。

ファンは傍観者、オタクは常に当事者なんだろうなと。

 

 

で、多分オタクのピラミッドがあるとしたら結構頂点の方に位置する庵野秀明はその矛盾すら指摘させねーぞってな勢いでこの映画を作ったのだと思います。

 

あたしがオタクであればそのこだわりを見つけるにつけ何倍もの感慨を味わえたはずなのに、と少し悔しい気持ちもありますが、エヴァンゲリオンと一部役者のファンでしかないあたしにもすごいということだけは十分伝わりました。

 

でね、これだけのものを作るってのはそりゃ苦労とかプレッシャーとか色々あったでしょうけど、あんだけ好き勝手に壊してデカくして細部にこだわって、庵野秀明をはじめとした周りのスタッフはさぞ楽しかったんじゃないだろうかと。それが真実だろうがなんだろうが、あたしがそう思った時点で、やっぱりオタクってすげぇな、と結局そこに行きつくのです

 

 

■エヴァ的視点

緊迫時のBGMがね、ピンと来ざるを得ないアレ。初日に観たエヴァファンこそ「おおー」って叫んだんじゃないでしょうか。あたしはその前提知識だけ持って来たようなものなので「キタキタキタ」って感じでした。

 

総員配置って聞こえた気がするとかもね。

第一種・・・戦闘・・・は言ってなかったよね?

 

まあゴジラが使徒だとして、

シンジは政府と平泉成かな?

長谷川博己&石原さとみで、ミサト&カヲル&アスカをほのかに感じたり。これはどっちがどっちとか決められないのよね。ミサトの冷静と情熱の狭間感が長谷川でカヲルの理想主義は両方でアスカのアメリカ国籍は石原なんだけど、肉親との関係性はアスカというよりミサトだよねとか。

一番は市川実日子演じる尾頭ヒロミ。

漢字苗字&カタカナ名前。

彼女は完全に赤木リツコ&伊吹マヤを担っていたよねとか。

 

さすがに綾波は出てこないよなと思ったらいましたね。

 

平泉成の「ラーメンのびた」のセリフは、緊迫の中にどこかとぼけた自分本位のシンジを感じざるを得なかったのですが、そのラーメンがわざわざアップにされたんです。

ネギだけののびきったまずそうなラーメンね。

 

「にんにくラーメン、チャーシュー抜き」だ。

「こんな時どんな顔をすればいいかわからないの」の裏に隠れているようで全然隠れていないレイの名言です。

 

 

ここまで楽しんでおいてなんですが、本当にジン・ゴジラがエヴァンゲリオンの実写版だとしたらここまで露骨なオマージュを庵野秀明がやるとは思えない、これはエヴァンゲリオンファンをゴジラに引き込むための商業的お遊びに過ぎないのかな・・・というのは、浅いエヴァンゲリオンファンのどうでもいい考察ではあります。けどねぇ、やっぱねぇ。

実際あたしが劇場に足を運びましたし、エヴァ要素皆無だったら足を運んだとしてもここまで楽しめたかどうか。

 

 

目に見えてわかる違いがリアリティ。

エヴァンゲリオンが完全なファンタジーでも、シン・ゴジラが完全なドキュメンタリーでもないところがミソだとは思うのですが、リアリティの割合には圧倒的な差があります。

 

ちなみにあたしが一番怖かったリアルは、結構冒頭ですが未確認生物が一旦沈静した(と見せかけた)ら、京急線と羽田の飛行機以外は普通に動いている日常が再開したことです。

日本だったらコレあるよな、って政府の対応なんかよりよっぽど背筋がゾクゾクしました。

 

 

エヴァンゲリオンとシン・ゴジラが言わんとしていることは同じじゃん

とも

同じにしようとするにはテーマの大きさがズルい

とも

両方言えるあたりが大きなところです。

 

鑑賞中も同じ、いや違う、やっぱ同じとかグルグルしていました。

 

庵野秀明が作品で常に目を覆いたくなるような、または普段無視していないと生きていけないような人間の心の奥のシワシワした部分に目を向けて別に救いもしない、自分でなんとかしろみたいなのを訴えてるとしたら、同じじゃん、には納得なんですよ。

シン・ゴジラでは「好きにしていい」と言われて好きにできなくて苦悩するあたりに強くそのテーマを感じましたし。

 

でもな~。

 

・・・・ってね、エヴァンゲリオンの時もそうだったんですけど、ただ普通に面白い作品というのを見せてはくれない気がします、庵野秀明。事後にね、考えたくなる調べたくなる語りたくなる、という余韻引きずりまくりの作品ばかりなんです、あたしの知る限り。

 

あー面白かった、内容全然覚えてないけどみたいなエンターテインメントも大好きなんですが、やっぱそういうのは別の人にいただくんでしょうね。

 

まんまとやられました。こういうやられ方なら大歓迎です。

 

 

■よし、4Dでもう一回観るか

急かしはしないです。ゆっくり作っていただいてほしいのですが、早くエヴァンゲリヲンの続きが観たいです。

 

それとゴジラの動きに野村萬斎、つまり能が取り入れられているとわかった時のショックと同時にこのネタのことを思い出しました、までがあたしのシン・ゴジラです。

 

 

 

 

これで明日の配信ではシン・ゴジラのことをサラっと話すのみに留められますわ。
オホホホホ

 

8/22 21:30-
【彼ナシ15年】たしなむていどにハスキーを【第9声振替】

http://live.nicovideo.jp/watch/lv273251904
 

ニコ生&ラジオと出まくりの日。

 

twitter:@piropiroyo