ポケモンパンを買った。シールがついてくるあれ。

 

小さなころからあこだれだったあのパン。幼少期の私には買ってもらえなかったあのパン。母親に「量が少ないからもっとほかのパンにしなさい」と育てられたから。同じ理由で駄菓子も買ってもらえなかった。そういう育成方針だったから、今もその呪いが解けずにいる。ポテチが食べたくなっても「いや、この値段ならもっと腹が膨れるもの買えるな」と思ってしまう、つまらない大人になってしまった。まったく、教育が成功してやがるな。まあ実際、母にそういう思いはあったにせよ、本心は違うのだと大人になった私には理解できる。普通に兄弟喧嘩が起きるからだ。誰か一人を贔屓できない。喧嘩するから。そのような思いが強かったのだと思う。知らんけど。あの人のことだから、本当にケチだったのかもしれない。そして今、ようやくその呪いから脱出しようとしている。その一環としてポケモンパンを買った。正直、ポケモンは知らない。ゲームも制限されていたから、ポケモンにハマることもなかった。だからこそのワクワク感はあった。袋から出てくる全く知らないポケモンを見て「しらねー」と、当時の自分が体験できなかった失敗を体験したかったのだ。

 

で、目の前にポケモンパン。シールが2枚も入っている大きいのを買った。大人だから。独りだから。やっほーい、あこがれのポケモンパン購入者だぜ!見てるか当時の純粋な俺!その横にいる女ではなく、この俺が大人なんだぞ!なんてことを思うわけもなくパッケージを開け、パンよりも先に銀色の袋を取り出す。おお、これが例のブツ。しっとりと油の乗った長細い銀色。なるほど、2枚入りを買うと1*2ではなく、切り分けられる前の2*1が入っているのか。こういうあるあるすらも新鮮で、20を過ぎて人生一週目の発見をしている。のびしろしかねえな。もしくは馬鹿にされるネタだな。

 

前置きはここまで、まずは1枚目を開封していこうじゃあないか。銀袋のギザギザを両手で引き開けるっ!

 

 

 ───【 フリーザー 】───

 

 

おお。おそらく伝説ポケモンが来た。私もポケモンを全く知らないわけではない。たしか、初代の伝説ポケモンだったような。なんにせよレアだ。ポケモンパンシールのレートは知らないが、私の中ではそれなりに上位にランクインしていると思う。いいじゃない。この勢いで2枚目を開封するっ!

 

 

───【 サンダー 】───

 

 

おぉ……?いや、こちらも同じく初代伝説ポケモンで、フリーザー、ファイヤーとともに三鳥と呼ばれいたはずなのでレアだ。レアなんだけどなぁ……。

 

なんか微妙。ちょいうれしいぐらい。知らないポケモンや序盤の虫ポケモンを見てちょっとがっかりすることも、主人公や御三家みたいな有名ポケモンをみてテンションを上げることもない。なんか、うん。ごめん。ちょっともう帰っていただいて結構です。どっちかはハズレであれよ!

 

商店街の福引で『おめでとう、3当!商品は洗濯用洗剤です!』と同じくらいのうれしさ。枠に転がった緑の玉を見て、どうせなら白で箱ティッシュ欲しかったなと思うとき。あれに近い。

 

 

 

今回の成長:ポケモンパンは1枚入りを買え!