
鉄拳(1972~)さんは、吉本興業に所属するお笑い芸人でパラパラ漫画を制作しているイラストレーターです。
鉄拳さんは、元々漫画家志望でした。高校時代に講談社が主催している漫画新人賞のちばてつや賞に入選します。
しかし、次の作品が賞に選ばれない出来だったため、漫画家の夢を諦めます。
高校を卒業後、二番目の夢だったプロレス団体にFMWに入団しました。鉄拳さんは、マンガ「キン肉マン」が大好きだったそうです。
プロレスラーになりたくてFMWに入団したものの、レフェリーとしての採用だったことい気付き退団しました。
その後、滑舌の悪いレスラーの恰好をしたゴツイ男が得意の絵を活かして芸をしたらどうだろうと考え、お笑いプロダクション「オフィス★怪人社」に入団しました。
独特の姿と芸はウケ、様々な番組に出演します。
鉄拳さんが、NHK番組「爆笑オンエアバトル」に出演した時の動画をご紹介します。
【「爆笑オンエアバトル」出演時の動画】
その後、個人事務所鉄拳社に移籍しますが、唯一いたマネージャーが退社ことがきっかけで体を壊し8か月休養した後、マネージャー不在を解消するために吉本興業へ移籍します。
仕事が徐々に減ってきたことに加え、周りの吉本芸人の凄さに圧倒され、芸人として自信を失ってしまい、2011年夏に芸人を辞めることを決断します。
芸人を辞める日も決まっていましたが、他の芸人がドタキャンしたパラパラ漫画を描くという企画のオファーが入り、吉幾三さんの「俺ら東京さ行ぐだ」をパラパラ漫画で描きました。
このパラパラ漫画がテレビのプロデューサーの目に留まり、パラパラ漫画家としてテレビ出演が増え、芸人廃業を撤回しました。
パラパラ漫画の仕事が増えるようになり、左右に揺れる振り子の中に夫婦の半生を描いた「振り子」を番組内で発表します。
この「振り子」がYouTubeにアップロードされると、日本国内のみならず海外を含めて注目を集めるようになりました。
【鉄拳さんが描いた「振り子」動画】※著作権保護のため音なし
先日、日本テレビ番組「アナザースカイ」に出演した際、「お笑い芸人だった時の僕よりも、パラパラ漫画やっている僕のほうが、すごいやりがいがあるなと思って。まさに天職ですね。ほんとにドンピシャリだと思います。すごい遠回りしましたけど、なんかちゃんと行きたいとこにはきたって感じですね。」と語っています。
鉄拳さんは、漫画家から、プロレスラー、お笑い芸人、そしてパラパラ漫画といろいろ経験した結果、天職と思える仕事に就くことができました。
鉄拳さんがパラパラ漫画に出会ったのは、39歳の時です。
仕事をしていると、成果が出なかったり、人よりうまくいかなかったりすると、自分の適性に合わないのではないかと感じ、将来に不安を感じてしまいます。
自身の適性や向き不向きはやってみなければ分からず、また鉄拳さんのように天職だと思える仕事に突然出会う可能性もあります。
年齢や役職があがると、世の中のニーズの変化とともに仕事内容も変化していきます。部署移動や転職するときもあるでしょう。
パラパラ漫画に出会った鉄拳さんは、充実した人生を送っているように見えます。
一つ一つのきっかけを大切に取り組むと、天職と思える仕事に出会えるかもしれませんね。
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福井祐平