
昨日2014年4月16日、「小悪魔ageha」などファッション雑誌を中心に発売していたインフォレスト株式会社が事業を停止しました。
日本の出版産業では、1997年をピークに年々縮小しています。インフォレスト社も2009年3月に約75億円あった売上が、2012年3月には約44億円まで下落しています。
業績不振となった出版社は、倒産もしくは大手出版社のグループ会社となっています。
【大手出版社のグループ会社となった会社】
・1998年、中央公論社が、読売新聞社に買収される。
・2001年、プレジデント社が小学館に買収される。
・2001年、弘済出版社が交通新聞社を吸収合併する。
・2004年、角川HD、メディアリーヴスを子会社化。
・2004年、アルプス社、ヤフーの子会社となり後に吸収合併。
・2006年、山と溪谷社、インプレスDOに買収される。
・2006年、 新風舎、事業を文芸社へ譲渡。
・2009年、中経出版、角川HDの子会社化。
・2010年、鉄道ジャーナル社、成美堂出版の傘下に入る。 など
出版社は現在生き残りをかけて、電子書籍に力を入れていたり、媒体の広告収入だけでなく、物販通販を運営したり、読者を集めたイベントを企画したり、コンテンツのライセンスを二次利用したりと新たな収益源を模索しています。
中小の出版社、編集プロダクションの年収は低く、労働環境も過酷です。 しかし、大手出版社はまだまだ年収も高く、いち編集者でも600~1,000万円近い年収をもらっています。
大手出版社ではなくとも、医学系専門出版社、学校教科書系出版社の最大手も1,000円近い年収と福利厚生が充実した環境で働いています。
出版不況の原因の1つとして、コンテンツの質の低下が挙げられていますが、私が感じる印象としては、編集経験のある方は他の業界の人と比べても優秀です。
ただそんな優秀な方でも、重労働とそれに見合わない年収に対して、出版業界を去っていってしまいます。
出版社を去った編集者の多くの人は、広告代理店の制作部門や、WEBメディアの制作執筆担当、WEBコンテンツ企画編集、別業界へキャリアチェンジしています。
出版不況と言われている現在でも、採用活動を行っている企業があります。
私自身、多くの出版企業の中途採用支援を担当しています。おそらく日本で一番出版社の中途採用求人を取り扱っています。
不況の業界は、普段だと絶対にいない大変優秀な方が中途採用市場に現れます。
韓国電気メーカーが日本の優秀な技術者を採用できているのは、日本の家電業界が不況なのも理由の1つです。
正社員として大手出版社へ入社するルートのほとんどは、有名大学卒者で新卒採用の時か、人脈を活用したコネ入社になります。
未経験で出版編集職となるには、雇用形態を選ばず編集プロダクションか中小の出版社のHPや求人サイトで掲載している採用情報に応募するルートになります。
アメリカでは、電子書籍で発刊語した後に紙の書籍で発刊するケースも増えています。 今後タブレットが普及してくると、出版業界もITと連動したコンテンツが増えてくるでしょう。
WEBの世界には、知育アプリや恋愛ドラマアプリのような音と動きと操作が加わったコンテンツがあります。
電子書籍化した場合でも、ゲームやアプリなど新たな競争相手と競うことになります。 出版編集職は、自己表現を発信できる大変やりがいのある仕事です。
今後、個人で全世界に発信できる可能性も秘めている職業です。
業界の未来を悲観せず、出版業界へのキャリアを選択してみるのも良いかもしれません。
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福井祐平