内部告発による解雇について | キャリアコンサルタント福井祐平の『What's人財』

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企業や社会が求める『What's人財』をテーマに、キャリアコンサルタント福井祐平の視点で書いています。


現在、秋田書店が、読者プレゼントの不正を内部告発した女性社員を解雇したことがニュースになっています。



秋田書店の不正内容は、雑誌に掲載している読者プレゼントの当選人数よりも少ない当選者数で景品を発送していたとのことです。



不正を告発した女性社員は、自身が不正を続けているうちに睡眠障害や適応障害を発症。2011年9月から休職していましたが、2012年2月に「多数の読者にプレゼント発送せず、不法に窃取した」と書かれた解雇通知書が秋田書店から送られたそうです。



女性やユニオンは、仕事を理由とした病気の発症で休職中に解雇するのは無効と主張しています。窃取と指摘された点について、「会社の指示で当選者の数に満たないプレゼントしか準備されていなかった」としています。



ユニオンは、「不正を強制しながら、罪をなすりつけて懲戒解雇したのは許せない」と話しています。女性は「不正をやめるべきだと何度も訴えた。消費者庁に不正を指摘され、会社も認めたのだから、解雇を撤回して謝罪すべきだ」と訴えています。



この件について、秋田書店は「解雇と不正は別問題だと考えるため、コメントは差し控える」としています。



内部告発した社員の解雇が有効とされるには、客観的合理的理由と社会的相当性が必要になります。しかし、正当な内部告発を理由とする解雇は客観的合理的理由や社会的相当性を欠き、無効になります。



裁判例では、内部告発の正当性について、以下の観点から総合的に判断しています。

【内部告発の正当性について】
・告発内容が真実か。あるいは、真実だと信じるにつき十分な根拠があるか
・告発の目的に公益性があるか
・告発の方法や対象が妥当なものか



労働基準法では、内部告発を行ったことを理由に解雇など不利益な処分を行うことは禁止されています。



また公益通報者保護法は、働く人が公益通報を行ったことを理由とする解雇を無効とすることを定めています。



私個人的には、秋田書店が発刊している「少年チャンピオン」が好きで毎週読んでいます。現在連載中の「バチバチ」や最近まで連載していた「バキ」は単行本も購読しています。



これを機会に「少年チャンピオン」が廃刊となってしまうのは、大変心苦しいので女性社員の方と早く和解して、今後不正なく対応して頂きたいと思います。

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福井祐平