2012年9月25日に

誕生したちびらちゃん(愛称)

2023年9月15日に

11歳の誕生日を目前にしながら

突然、お空に帰って行きました。9月に思うこと

笑顔が素敵な子で皆さんから

《癒しのちびらちゃん》と

とても可愛がられて愛されていました。


誕生してから日々の生活の様子を

折に触れて見てきましたが

ちびらちゃんも両親も

そして関係された皆様も

本当に良く頑張ってくださいました。


お疲れ様でした。

ありがとうございました。


心より感謝致しております。

 



以下は息子の喪主挨拶の文言です。

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ちびらは2023年9月15日に10歳でこの世から旅立ちました。


肢体不自由で、コミュニケーションも取れず、目も見えていないため、日常生活の全てにおいて介助が必要でしたが、奇跡的に気管切開や胃ろうといった医療的ケアが必要となることもなく、持ち前の笑顔でたくさんの方に愛して頂きました。


ちびらは第一子の長女となります。


お腹の中にいるときから成長に気になる点が見られ、阪大病院で産まれました。


出生時の体重は2380グラム。産まれてすぐに検査を受け、医師の先生から「ミトコンドリア病の中のピルビン酸脱水素酵素複合体欠損症(PDHC)で重症です」といった旨の説明がありました。


聞き慣れない病気ですが、簡単に言うと、身体の成長に必要な炭水化物を体内でエネルギーに変換することができず、脳や筋肉の発達に著しい影響が出る病気(難病)です。


日常のエネルギーは脂質で補う必要があり、根本的な治療方法もなく、成長していく段階でどのような症状が出るのか全く予想できない、明日まで生きることができるかも分からないとのお話でした。先生の説明を聞いた時の衝撃は今も忘れることができません。


しかし、出産直後で肉体的にも精神的にも弱っていた妻を支え、ちびらを育てていくために出来るだけのことをしようと決意しました。


出生後は阪大病院のNICUで過ごしました。


オリーブオイルを混ぜた母乳を飲ませる必要がありましたが、小さい身体で産まれたこともあって飲み込む力が非常に弱く、一度飲んでも嘔吐することが何度もありました。


1グラムでも体重が増えて欲しいという想いで、必死でミルクを与えていたことを思い出します。このような生活が2カ月ほど続き、なんとか退院することができました。


難病を持つ我が子と自宅で過ごすことに不安と戸惑いを感じてましたが、祖父母の協力も得つつ、健常児の成長と比べると非常にゆっくりとしたスピードではありましたが、ちびらは自分なりの速度で成長していきました。


結婚前から妻と私は同じ会社で働いていて、結婚後も妻はフルタイムでした。


難病で障害を持つ子どもの母親がフルタイムで働くことについて不安がありましたが、障害福祉において日本で最先端の豊中市に住んでいたこともあり、こども園に預けながら働き続けることができました。もちろん勤務している会社の所属部署の理解があってのことです。


難病のちびらを迎え入れてくれた○○こども園や理解を示しえて頂いた会社の所属部署の方々には今でも感謝しています。


こども園の卒園後は○○支援学校に入学しました。○○支援学校では先生方が試行錯誤しながら、ちびらが楽しく、のびのびと過ごすことができ、更なる成長も促すような授業やイベントを準備して下さり、親として感銘を覚えました。


また、夏休みや冬休みの学童利用や地域交流の一環として近隣の小学校に遊びに行くことを通して近所の子供たちにちびらを知ってもらうことができました。近所での買い物中に知らない小学生のお子さんから「あ、○○ちゃんだ!!」という声を聞いたりして、親としてとても嬉しく思ったりもしました。


学校の他には、デイサービスやリハビリの先生にも大変助けて頂きました。本当に多くの方々にちびらの生活や成長を支えて頂き、また、その時々の成長における悩みについて一緒に考えて下さったり、アイデアを出して下さったりなど、家族に対しても暖かいサポートを頂きました。


さらに、旧来の友人やちびらや他の子どもたちを通して家族ぐるみでお付き合いさせて頂いた多くの友人家族からも、障害児であるちびらを当たり前のものとして受け入れて下さり、一緒に集まってパーティーを開催したり、時には家族ぐるみで旅行に行ったりなど、たくさんの楽しい思い出を頂きました。


10歳という年齢は、健常者にとってとても短いです。しかし、ちびらの持って生まれた病気と重症であることを考えると、ちびらは多くの方々と繋がりを持ちながら、ちびらなりに深く濃い人生を全うできたのではないかと思っております。


両親だけではここまで到達することは出来ませんでした。

これまでちびらに関わって下さった全ての皆様のお陰です。ちびらの家族として、ここに改めて感謝申し上げます。


余談となりますが、昨年他界したちびらの叔母(妻の妹)が、生前ちびらを非常に可愛がっていました。ちびらは今頃叔母に会うことができ、ふたりで仲良く過ごしていることと思います。


取り留めのない文章となりましたが、ちびらに関わって下さった皆様への感謝を込めて結びとさせて頂きます。


本当にありがとうございました。


ちびらの父

 

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たくさんの方々に見送られて旅立った

ちびらちゃんは両親が命名の際に込めた

願いの通りに、今頃は自由に大空を

駆け回っている事でしょう。


生まれて来てくれてありがとう。

いつまでも忘れないよ。


冥福を祈っています。

 

 

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