夫は、セミナーの後、何がなんでも彼女に会いたかったのだ。
セミナーを、たぶん欠席した彼女と、
18時に〇〇で待ち合わせ、20時半頃まで、打ち合わせと称したデート。
何が打ち合わせだ、
酒をのみながら、メモをひろげるのか?
他愛ない話と仕事の愚痴、少しばかり仕事内容にふれて、
あとは楽しい会話だろう、
この1年半、週に2度以上は、必ず会っていた二人だ。
彼女とて、気に入らない中年とは、わさわざ逢瀬をしないだろう。
ふたりの仲は、
私が想像する以上に濃密なのかもしれない。
そして、私がしつこく夫の動向をさぐること、
幾度か彼女にメールしてしまったこと、
すればするほど、二人は近しくなるのだろう。
わかっている。
わかってはいたけれど、
ちり積もる嘘がうっとおしく、
悲しく、惨めだった。
今日の逢瀬は、
私が知っている状態で実行された。
彼女と二人で飲んだら離婚すると、
ラインもした。
けれど、何の力もなかった。
何ひとつ、夫の心に響かなかった。
夫は当たり前のように、
彼女に夫から連絡をとり、
二人は2時間半のデートをした。
いや、もしかしたら彼女もセミナーに参加していたのかもしれない。
2時間半ほどて、帰路につくのは、
夫らしからぬことだ。
いずれにしても、
よくわかった。
夫は、彼女に会いたいのだ。
顔を見て、声をきいて、
心踊り、和む時間が、幸せなのだ。
二人は、仕事で会っていると
敢えて認識しつつ、
実の所、恋に落ちているのだ。
会いたい気持ち
語りたい気持ち
それが、仕事から派生するとはいえ、
ふたりは、繋がっている。
この1年半、
夫は随分と長い時間、彼女と語りあってきた。行動を共にしてきた。
飽きっぽい人なのに、
仲良くなるばかりだ。
本音では、全ての仕事を彼女としたいはずだ。
毎日一緒に仕事をしたいのだ。
仲が良い
ウマが合う
同じ価値観
能力
若さ
全て魅力的なのだ。
帰宅しても、
飯、、
それしか話さなかった。
彼女とは2時間半、たっぶり話てきたのだから。
34年間、私は夫と数時間も楽しくおしゃべりしたことがない。
数時間怒鳴られたことは、何度もあるな。
外で、二人でお酒をのんだのは、
一度だけだ。
ふと、今日の夕刻、悟った。
もう何をしても駄目だ。
何に抵抗しても、無駄だ。
私の中に、
愛されたいとか、
優しくして欲しいとか、
温かな夫婦でいたい、、とか、
そんな思いや願いがあるからいけないんだ。。
望まなければ、悲しむこともない。
もう充分に、自分の気持ちは伝えた。
でも、伝わらなかった。
嫌われただけだった。
夫は、サイコパスだろう。
人の気持ちは、理解しない。
本人は、理解しているつもりだろうけれど、
本質的には、人のことなど考えない。考えられない。
そして、調和できない。
伝わらない人に
伝えようとしていた自分が馬鹿だった。
いちいち傷つくなんて、愚弄だった。
34年もの日々、夫婦でいても、
何の意味もなかった。
私は、今日、何かが吹っ切れた気がする。
こう書きたくても、書けなかった。
たぶん、何処かで夫を愛していたのだ。、
でも、今夜、本気で吹っ切れた。
この歳で、私は振られたのだ。
夫の心に、私は居ない。
疎ましいだけのババァなのだ。
はっきり認識した。
泣きたいけど、
泣かなくてもいい、
もう、沢山泣いたから。。
手持ちのお金も少しはある。
贅沢をするつもりはない。
機が熟したら、一人で暮らす住まいを探して、出ていこう。
寂しくなんかない。
ひとりで、
嫌な気持ちで夫の帰りをまつ暮らしより、ずっと幸せだと思うから。