ここからは現在の状況に触れる。個人の想像も含むため自己判断で。
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グルーヴィンでエピローグ楽曲と共に大団円を迎えた後、リフレクはナンバリング変更しヴォルツァが稼働を開始した。
本シリーズは楽曲制作者にスポットを当てたイベントが多く、潤沢な新曲と恵まれたスタッフ陣がこれでもかと好きなものを詰めに来た、良くも悪くも盛りだくさんなバージョンだったと思う。
短期間に多額を要するイベントが乱立した結果、力点が分散し、ライトユーザーはもうついていけなくなってしまった。音楽ゲームに限らずままある事だしよく見る事態だ。
解禁できなければ次回作でやればいいさ、今までもそうだったし。と思うユーザーは多かった。
甘かった。
現行作リフレシアが稼働してみれば、今までデフォルトで遊べた曲の大半は削除、新要素対応で譜面を全て作り直し。前作の解禁どころではない、譜面の再構成と過去の「復活」を待つ間にひたすら重複だらけの強制3曲コースを繰り返すゲームになってしまった。
これは制作とユーザーにとって、積み上げた実績を文字通り一から解除し直しとなり、全て解禁できたところで「前と同じ場所」に到達するだけだ。
登る山がそこしかないならいざ知らず、かつて同様に曲をわけあった同社のライバルは増え、今や外国の山まで拓けた風景を黙って見ている必要など無い。この辺りは「ゲームをやりたい層」が見切りをつけるに十分な理由となった。
では、私はそうではないのか。
もちろんゲームはやりたいし、そのための筐体だ。けれども私の到達点は常にパステルくんであって、曲そのものではないと言っていい。
リフレシアの稼働直後はパステルくんのスタンプや公式Twitterが癒しとなっていたのでさして深刻に見てもいなかった。それもだんだんとなくなってしまったので、寂しいとは思いつつ、せっかく実装された難易度の高いイベントや譜面にはあいかわらず手が伸びないでいた。パステルくんの衣装集め要素が楽しみだった。
そのままひたすら静かに1年が過ぎて、ゲームは一旦措いて個人コミュニティでパステルくんの誕生日を祝ったりしていた。
4月以降、パステルくんの新規着せ替えもなくなった。公式による露出は復活楽曲を知らせる画像一枚。めっきり移植イベントに呼ばれず新曲が追加されなくなった。
さらに3ヶ月。復活楽曲のおしらせからパステルくんが消えた。
さらに3ヶ月後、リフレク筐体を改造した新作ゲームのロケテストが始まった。
現状はロケテであり稼働は決まっていないにせよ、これからリフレクに息を吹き返せとするのは、寝たきりの身体で内臓の移植先が決まった状態から頑張って生き返ろうみたいな事で、こんな双方に溝しか生まないやりかたを誰が祝福できるだろう。
今はただ、毎月おしらせのおしごとに向かっていた先で、一枚絵で頭を下げるパステルくんに「もういいよ」と誰かが言ったような気がしてならないのだ。