私には車の免許ながなく、離婚までに取って仕事を見つけて、息子と安定的な暮らしができるめどがついたら離婚する予定でした。
ですが、息子は相変わらず体調不良を度々起こし、仕事どころか教習所でさえ行けないでいました。
段々、夫と戸籍上の夫婦でいることさえ煩わしく感じてきて、いざとなったらいつでも通える教習所より仕事探しを優先にして、早く離婚をしようという気持ちになっていました。
そんな矢先、深夜に夫が突然帰ってきました。
荷物を取りに来たり、息子の顔を見に来たりは何度かありましたが、寝静まった深夜に来るなんてことは初めてでした。
驚いた私を見ながら、ヘラヘラと笑う夫。
お酒をかなり飲んでいるようでした。
「2人の顔が見たくて帰ってきた」
「家に帰って来ただけ」
「もう何がしたいか分からなくなってきた」
「何もかも分からない」
「疲れたら君が恋しくなってしまった」
など、理解できない言葉を並べてきました。
この頃には私から連絡は一切せず、
夫からも何もなく過ごしていました。
中途半端に接触するより、その方が楽だったからです。
子どもの行事も誘わず、私1人で参加していました。
酔っ払って適当に話しているのか、本音なのかは知りません。
ただ、もう聞きたくない。
私と息子の顔が見たいとか、私が恋しいとか、
嘘でも本音でも聞きたくありませんでした。
「聞かなかったことにするね。」
とだけ告げて、私は眠りにつきました。
義母がいつか言っていた言葉を思い出しました。
「後悔しても遅い」
「やっぱりやり直したいと言っても受け入れてもらえないよ」
いくら説得しても響かないんだと嘆いていました。
夫は後悔ではなく、これでいいのか?と思い始めていたようでした。
一旦自由になってみたものの、
満足が得られず戸惑っているようにも見えました。
最近話題の闇営業にも思いました。
軽い気持ち、深く考えないで取った行動や言動は、時に自分の思惑以上の事態を招くのです。
夫が私と離婚をしたいと言い出したのは、
私から自由とお金を搾取されているのが辛かったからだと思います。
頑張っているのに認めてもらえない、
褒めてもらえない、
尊敬してくれない、
遊びを許してくれない。
「ある」ものに目を向けず、
「ない」ものばかり求めると、
人生のバランスは崩れていくのです。
それは私も同じで、夫との離婚で教訓にしたことです。
人の気持ちは揺れるものだけど、
もうそれに向き合っているだけの思いやりは残っていませんでした。