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ボッタクリ風俗店と対決 後編

ボッタクリ風俗店後編


なんとなく拍子抜け。彼女はそんな僕を気に留める様子もなく、僕の横に腰掛けるとテキパキと何かの作業をしながら話しかけてきた。

「今日はお仕事だったんですかぁ?」

と語尾上げ気味舌っ足らずに言うお姉さん。年はいってるっぽいがまあまあカワイイ。けっこうな年なんだろうけど無理やりセーラー服を着てるところなんか哀れみすら覚えるのだけど、まあ許容範囲レベル。

前情報では歴史的惨敗と言ってもいいほどのブスにエンカウントするはずで、すでにドラクエで敵に遭遇したときの音楽が頭の中で鳴り響いていたのに拍子抜け。もしかしたら、女の子は複数いるのかもしれない。つまり、なかなか大きな規模のボッタクリグループなのかもしれない。

年はいってるものの予想以上にカワイイ子の出現に、男なら誰しもが興奮し、それこそ抱きついてプレイ開始!となる場合もあるだろうが、ここは落ち着いて行動したいところだ。何せココは筍剥ぎのボッタクリ店、抱きついただけで「抱きつきプレイ+5000円」と請求されてもおかしくないのだ。軽率な行動は禁物。落ち着いて慎重に行動しなくてはならないのだ。

「はい、じゃあズボンとパンツ脱いでください。ローション塗りますので」

淡々と事務的に言うお姉さん。これだから風俗店ってのは物凄い。挨拶の次に交わした言葉が「チンコにヌルヌルした液体を塗るから脱げ」ですからね。普通に考えたらこんなシチュエーションありません。

ここでまあ、そこそこの女性が「チンコにヌルヌルのぬめった気持ち良い液体を塗ってやるから脱げ」と言ってるのでそれを断る男などいないと思うのですが、忘れてはいけませんここはボッタクリ店なのです。さすがにローション塗り塗り代とかは請求されないでしょうが、このプレイにはもっと別の意味があるのです。

店に入り、何より先にズボンとパンツを脱がせてヌルヌルの液体を局部に塗る。これは、言うまでもなく客を帰らせないための手段です。何も僕らは監禁されているわけではありませんから実は帰ろうと思えばいつでも帰れるのです。

この後に筍剥ぎボッタクリの真骨頂が始まり、何をするにも追加料金の請求。法外な値段を請求されたとしても「最初と話が違う、帰る!」と怒りを顕にして席を立つことも可能なのです。最初に藤子不二雄Aに払った7000円は返ってこないでしょうが、それ以上の被害を防ぐことはできるのです。

しかし、そうなった時、下半身裸でおまけにチンコにヌルヌルのローションを塗られた状態だったらどうでしょうか。帰る!と席を立って外に行けば下半身丸出し、間違いなく新橋駅前の交番に連行されることになります。じゃあ、ズボンとパンツを履こうにも股間にはヌルヌルローション。これはなかなか落ちません。パンツも履けないというわけです。そう、全ては途中で客を逃がさないための作戦です。

「どうしたの?早く脱いで?」

「断る」

ここは毅然と断りましょう。こちらはもう既にこの店がボッタクリ店だと分かっているのです。何もみすみす相手の罠にはまる必要はない。毅然とズボンとパンツは絶対に脱がないぞと言う意思表示をしましょう。風俗店に来て脱がないってのも何か間違ってるのですが、ここは仕方がありません。

「え!?どうして?ローションとか苦手?」

「うん、なんかローションアレルギーみたいでかぶれるんだ」

嘘8000な言い訳をし、なんとか脱ぐのとローションを回避、いつでも逃げ出せる体勢だけは保ちます。

「そうなんだ・・・、じゃあどうしようか?」

用意していたローションを片付けつつ、次なる手に出ようとするお姉さん。ここからがボッタクリ風俗の真骨頂でした。

「じゃあさ、フェチプレイとかソフトSMとかイメージプレイとか興味ある?」

何でか知らないけどそう切り出すお姉さん。そんなもの、もちろん興味津々で、ありまくりなわけで、願ってもないことなのですが、ここはボッタクリ店、警戒しなくてはなりません。

「うん、まあ、興味ないって言ったら嘘になるかな。ちょっとはあるよ」

ホントは興味だらけのくせにニヒルに言い放つ僕。すると

「じゃあさ、そういうコースにしよう。これ見てね!」

とまあ、ソファとソファの間の隙間みたいなところから「コース料金表」とかいう新たな物体が登場してきたのです。喫茶店とかのテーブルにおいてある小さなメニュー表みたいなその紙には怒涛の事実が書かれておりました。

フェチプレイコース  25000円
イメージプレイコース 30000円
ソフトSMコース    35000円


おいおいおいおい、ちょっと待て。なんだ、この法外な料金設定は。35000円って言ったらプレステ2が帰るぞ、プレステ2が。

しかしまあ、ココまで露骨だと面白いものです。店の前のハウスマヌカンは「7000円ポッキリ」と豪語していたにも関わらず、中に入るとこの吹っかけですからね。最初の7000円を入れた料金にすると一番安いフェチプレイで32000円、ソフトSMなら42000円になる設定。法外にも程があります。

「いや、ちょっと追加は・・・追加なしだとどんなプレイになるの?」

どうせ7000円しか持ってないのです、追加などでできるわけないので聞いてみます。

「うんとね、これだけだと。追加なしだと、下半身にローション塗って終わり」

おいおい、僕は断ったからアレだけど、本当だったら下半身だけ裸でローション塗られた状態でプレイ時間の60分をポケーッと過ごすのか。半分口をあけ、下半身裸おまけにヌルヌル、それだけでお姉さんと世間話でもして7000円。バカバカしいにも程がある。というか、そのローションすら断った僕はただお話をしに来ただけという状態。あまりにも惨い。

「えっと、でもね、店の前では7000円でフルサービスとか言ってたよ」

「そんなの知らないよ。うちの店はそういう決まりだもん。でどうするの?コース追加するの?しないの?」

と、なんだか胸がワクワクするような押し問答が始まりました。うん、オラ、なんだかワクワクしてきたぞ。

「いやね、追加はいいんだけど、そのさ、フェチコースとかの内容を教えてよ。じゃないと追加を考慮することもできない。どんなことするの?フェチコースは?」

「そういうのは教えられないんだけど・・・店の決まりで・・・」

おいおい、これから追加させようかって言う3万もかかるコースの内容も一切説明できないのか。それは明らかにおかしいってもんだろ。

「いやさ、普通内容知らないと金は出せないでしょ。よく知りもしない中身の見えない箱に「プレステ2」ですって書いてあって、3万を出して買う気になる?ならないでしょ」

よく分からない例えを出して力説する僕。するとそういった例え話をするほど頭を使いたくないのか、お姉ちゃんは切々と、それでいて投げやりに各種コースの説明をし始めました。

「フェチコースってのは、これを使って抜いてあげるの」

ソファーの奥のほうに置いてあった本棚みたいなのから小さな箱を手にとって見せてくるお姉ちゃん。どうやらこのツールを使って股間を刺激し抜くのがフェチコースのようです。見るとお姉ちゃんの手にはこじんまりとした箱に猥褻なイラストが描かれたオナホール。

アホか。

オナホールってのは、文字通りオナニーの時に使う穴っぽいツールで、明らかにオナニズム文化発祥の地みたいなウエポンなのですが、読んで字のごとくオナニーに使うツールです。女性器を模ったブヨブヨしたグミみたいな所にチンコ突っ込んで摩擦運動、そいでもって雄たけびを上げる。そんなワンランク上のオナニーを演出する道具なのです。

こんなオナホール、そういった店にいけば500円からあります。それをチンコにはめてお姉さんが上下に動かしてくれるだけで追加料金25000円、合計で32000円。ハイパーインフレ起こした東南アジアあたりのレストランじゃないんですから法外にも程があります。

これだけでも腰が抜けるほどのビックリするのですが、その他の2コースがまたすごい。

「じゃあさ、イメージプレイコースってのは?」

「それはね、私セーラー服着てるでしょ、だからまず先生と生徒っていうシチュエーションになるの。貴方が先生、私が生徒ね」

「うんうん、それでそれで」

「で、そのシチュエーションでこれを使って抜いてあげるの」

と、彼女の手にはまたもやオナホール。

アホか。

何をどうやったら先生が生徒にオナホールを使わせるなんてシチュエーションが発生するんだ。というか、さっきにフェチプレイと内容は変わらず、先生と生徒という設定を追加しただけで値段も跳ね上がり30000円、合計で37000円になります。法外にも程がある。

「じゃ、じゃあ、ソフトSMコースってのは?一番高いけど」

「これはね、ソフトSMするの。まあSMって言ってもムチとかロウソクを使うわけじゃなく、私が貴方のお尻の穴をこの棒で刺激するの」

と手には耳掻きみたいな緑色したプラスチックの棒が。さすが最高級値段設定のソフトSMコース。道具が違います。しかもアナルを刺激するサービスつき。これはなかなか期待が持てそう。

「でね、お尻の穴を刺激しながら、これで抜いてあげるの」

と手にはやっぱりオナホール。

アホか。こいつは狂ってるのか。

おいおい、ここはオナホール専門店か、と言いたくなるほどのオナホールぶり。まさにオナホール尽くしの逸品。どうなってんだこの店は。しかも、もちろん全コースで彼女は服をビタイチ脱がないし、おさわりとかもご法度らしいです。あまりにも酷すぎる。

あまりに露骨なボッタクリっぷりに驚愕しつつ、最初から分かっていて心の準備ができていたのに戸惑いが隠せない訳なんですが、これが知らない人なら尚更でしょう。戸惑いパニックになり、下手したら追加の30000円払ってイメージコースで先生と生徒と言うシチュエーションでオナホールを使われかねません。

「で?どうするの?どのコースにするの?」

「ん?断る」

ここは毅然と断りましょう。曖昧な返事はせずキッパリトと断ります。ここで最初にズボンを脱がなかったことが効いてきて、すっと席を立って帰ることもできるのですが、せっかくココまで来たのです、もう少しやってみましょう。できれば最初の7000円も取り返したいところ。

しかしながら、毅然と断ると突如として彼女の態度が豹変しました。

「あのね、どのコースも選ばないって断られると困るのよね。ウチら遊びでやってるわけじゃないし、これで飯食ってるの。それにココ見えない?何も選ばないと違約金が発生するんだよ」

と、値段表の下のほうを指差す彼女。見るとそこには、老眼の老人では見えないであろう小さなフォントで「コースを選ばない場合、違約金30000円支払って頂きます」と書いてありました。まあ、典型ですね。笑えるくらいにボッタクリの典型。

「というか、最初に聞いていた話と違う。ここは明らかにボッタクリ店だよね。だからさ、最初に受付で払った7000円返してくれない?」

ここは、もうちょっとお姉さんを怒らせたほうが面白そうなので、さらに火に油を注いでみます。

「はあ?何いってんの?ウチはこういう決まりでやってるの。それにとやかく文句言うんじゃねえよ」

とまあ、年はいってるもののなかなかにカワイイ顔を怒りに歪めて言うのです。おいおい、そんなに怒るとシワが増えるぜ、ただでさえ危なそうなのに、とか言いそうになりましたが、ここはグッと堪え、そろそろお姉さんを丸め込みにかかります。

「性風俗営業等に係る不当な勧誘、料金の取立て等の規制に関する条例、いわゆるボッタクリ防止条例って知ってる?」

「はあ?なにそれ?何言ってんの?バカじゃない?」

「その条例の第3条なんだけど、東京都の風俗業では係る全ての料金を営業所内の見えやすい場所に表示しなきゃいけない決まりなんだよ。それがこの条例で決まってるの。さっきの追加コースや違約金の話、それらはね、見えやすい位置にデカデカと表示しなきゃダメなの。でも、なんか隠してあったメニューみたいなのに書いてあっただけだよね、それって違反だよ」

「うるせえてめえ!早く払え!」

何を払うのか知りませんが、払う金は持ってない。というか、もともとヤンキーだったのか言葉遣いがえらい事になってます。せっかく年はいってるもののカワイイ顔してるのに。

「ちなみに第三条違反は六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金。でさっきの「払えっ!」っていう脅し的文句は第四条違反、こっちも六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金だよ」

とまあ付け焼刃で勉強したことを教えてあげたのですが、

「何コイツ!信じられない!死ね死ね氏ね死ね!」

とかアメリカ人女性のようにヒステリックに連呼しながら、手に持っていたオナホールの箱を僕に投げつけ、先ほど受付をした物置スペースへと消えていったのでした。

おいおい、君の大切な商売道具じゃないか、オナホールは。それを投げつけるんだから余程怒ってることは手に取るように分かりました。

で、彼女が消え、またもやソファに一人になった僕は気がついたのですよ。さっきまでは僕も興奮と言うかムキになった部分もあってこうなったのですが、ここは一筋縄ではいかないボッタクリ風俗店だったと。しかも今は地下室に監禁に近い状態。下手したら殺されかねないなと。

たぶん、彼女は怒りにまかせて仲間を呼びに行ったのだと思います。もしかしたら強面の屈強な世紀末覇者みたいな男どもが数人やってくるかも知れません。

そういや・・・さっき通路に木刀が数本あったよな・・・。

もしかして、僕ってばコンクリのブーツ履かされて海に沈められるんじゃなかろうか。ココは新橋、東京湾も近いしなあ・・・。ああ、思えばロクでもない人生だった。

とまあ漠然とした恐怖が身を襲い、走馬灯とか体感しそうになりながら、こんなことやるんじゃなかったと心底後悔したのでした。明らかにムキになりすぎた。というか、自分で突入するってのが危なすぎた。こんなことやっちゃいけない。ああ、本当に家に帰りたい。帰れるのならば3万でも4万でも払う、なのに財布にはもう一円も入ってない。

警察なりなんなり、助けを呼ぼうと携帯を見たのですが、ここは地下室と言うこともあって携帯電話は見事にザ・圏外。もはや八方塞りな状態です。

でまあ、しばらく自分の愚かさを後悔しつつソファに座っていたのですが、やはりと言うかなんと言うか、ドヤドヤと入り口のほうが騒がしくなり、数人の男どもが入ってまいり、一気に絶体絶命のピンチになったのでした。

「お客さん、何かご不満な点でも?」

そこにおわしたのは世紀末覇王の名に恥じない屈強なお方。そのお方が小動物でも狩る時のような目をして仁王立ちしておりました。はわわ、殺される。

果たして僕は生きてココから帰れるのか。それよりなにより、最初に払った7000円は返ってくるのか。そして、床に転がったオナホールはどうなるのか。と、非常にスリリングな展開になったところで、あまりに長すぎるのでこの続きは発売中「ぬめり2-チャレンジ編-」という自費出版の本で。

(Numeri より転載)

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