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今まで読んだ本で面白かった本の一つとして、作家中井紀夫が書いた死神のいる街角が挙げられます。

この本は短編小説集で、怪談風のホラー、日常に潜む恐怖、風刺がきいている短編などが10編収められています。ホラーといっても直接的に怪物が出てきたり、暴力描写が出てくる訳ではないです。

しかし、人がもたらす悪意や違和感、不安感などを細かく描写してる短編が多いので、読んでる途中で共感してしまいました。

この本に収められている短編「車刑」の中に出てくる公開処刑は、大昔のフランスの拷問を連想したのですが、固有名詞が出てこなくて、少しとぼけた感じで登場人物が公開処刑について会話をするので、良い意味で違和感と怖さを感じました。

短編「葬式」は友人の墜落死の原因を雑談を交えて突き止めようとするのですが、読んでる途中で友人を落とした犯人は誰なのか、考えてしまいました。

犯人が分かって、人の残酷な本性が出てくる場面は現実でもありそうな感じがして、スリルを味わうことが出来ました。

作品の途中で小難しい専門用語が一つも出てこなかったので、あっという間に読み終える事が出来ました。

中編「獣がいる」は爽やかさや希望を全く感じさせない描写で、鬼気迫るものがあります。

作品の禍々しい雰囲気を著しくさせるような比喩も一層不安をかき立てられます。

作品の主要になる羊はどこに行ってしまったのか、という展開はホラー映画特有の怖さを連想させてくれました。

この短編に影響されて、ハッピーエンドで終わる娯楽・ホラー作品を見たくないと思いました。