それから、その日のホンジョウとのセッションはこれと言って特に面白みのあるものではなく(って、それはあくまでヒカルの主観によるものだが)、彼の順調に進まない仕事の悩みなどを一通りヒカルが聞かされた後に、ホンジョウはそれへの無難とも言えるヒカルのアドバイスに対し納得したようにして帰って行った 。
ホンジョウナオキはオトナだ。
10代や20代のオトコの子のようながっついた行動にはでないだろう・・・、そうヒカルは内心でホッとしつつも、ちょっとばかり拍子抜けしている自分に気づいていた。
なんか自分・・・、もしかしてひとり空回ってるだけ?ってこと?
って言うか、ちなみに今日はこれからどうしたものか?
とりあえずヨガのクラスにでも予約を入れてみる?なんて考えていたところに突然おあつらえ向き、なんて具合に1通のメールがヒカルの携帯にブルブルッと送信されてきた 。
ヒカルさん。今日はお忙しいですか?
あたし今、恵比寿なんです。マキ』
あら、マキさんか?とヒカルは思い、
ちょうど暇してたの。
よかったら遊びにいらっしゃらない?ヒカル』
とメールを返信する。
するとすぐに折り返しの電話がマキから入り、
ヒカルさ~ん、じゃあもしかして、すぐに行ってもいい?」
と言ってきたので、
それじゃあ、ビールでも買って来てくれるとうれしいな」
とヒカルが言うと、
りょ~かい!
つまみも適当に買って行きますね~」
とマキはご機嫌そうにそうリアクションすると、それからちょうど30分後にプレミアムモルツを3本、普通のモルツも3本、柿の種のわさび味に青のり付きのばかうけとプリングルズのサワークリームオニオンのS缶を持ってヒカルのマンション入り口前に参上した。
マキさん、なんかカロリーたっぷりな感じなんだけど?」
とコンビニ袋の中身を見たヒカルが思わずそうコメントする。
あれ?
嘘、ちがった?
イカとかのがよかった?」
ああ、全然。
ってちなみにマキさんはプレミアムモルツの方が好き?」
えっ?
ああ、わたしは・・・実は普通の方が好き」
嘘?
なんだ、わたしも。
じゃあ、普通のモルツ先飲もう。
って言うかプレミアム買って来た意味ないみたいで悪かった?」
と言いながらヒカルは陶器のペアグラスをテーブルの上に置くと、普通の方のモルツの栓をプシュッとを開け、トクトクと両方のグラスに注ぐ。
ほんじゃあまあ、とりあえず突然の訪問に!
かんぱ~い!」
と勝手にマキが仕切り、