秋晴れの日、「祝賀御列の儀」が行われましたね。　私は、雅子さまのお姿に胸が熱くなりました。　雅子様のご成婚の時期に思い出は遡るのですが。　若き日の私の衝撃な思い出。

皇族と王族、一庶民からは同じくらい手の届かない存在だったりします。

イギリス留学から帰る途中によった土地での事。

「私は王の為だったら死ぬ事も厭わない…」と言う言葉を受けたのは、今から20年以上前、20代前半の時の事でした。それは、もの凄い衝撃だった。

英国留学（遊学）後、出合った友人を訪ねながら日本へ帰国。その際に訪ねたバンコク在住の友人との会話。日本の皇太子殿下と雅子妃殿下のご成婚の話題で、民間の女性と皇室の結婚の話しを「シンデレラストーリー♪」と喜び、本気で憧れを抱く友人達。　無知な私は、タイの宗教と政治状況も全く知らずに、雅子さまの外務省お勤め時代の皇太子の熱烈アタックを、非常に冷めた気持ちでゴシップのように伝えてしまった。

「Kasumi、未来の天皇に対して、なんて失礼な物言いをするの？私は王の為だったら死ぬ事も厭わないと考えているの。」と。

楽しい会話の中の事なので、言い争う事も無くサラっと言い切った彼女。自分の安易な発言が、彼女の文化土俵に土足で入り、いとも簡単に否定したという事が、とっても恥ずかしかった。

「王の為に死ぬ」という考えが、正しいとも間違っているとも思わない。ただ、自分自身の無知の怖さを知った出来事だった。「自分とは違う相手へのリスペクト」について、初めてリアルに向き合った瞬間だった。

あれから20年以上。多くの国民から愛され、尊敬され、様々な国難を乗り越えてきた国王の御崩御…　大好きなタイが、バンコクがどう変って行くのだろうか…　友人との写真を引っ張りだして想う。

※写真は、当時のジム・トンプソンの家での一枚。　今のようにちっとも観光地化されていなかった。今も昔も大好きな場所。THAI GIRLSに囲まれた私も、すっかり馴染んでまるでTHAI GIRL（笑）

あれから時は流れ、雅子様がお選びになった結婚生活は、想像以上に覚悟の必要だった事であろう。時に自分らしささえ思い出せないくらいのご苦労なども受け入れ、いや、受け入れる他に道は無いのだけれど。胸に大きな痛みを抱えた方であろからこそ、慈しみ深く微笑まられる姿に、私はただ、ただ、感動したのです。　

慈悲の国、憂の国、慈しみの国、笑顔の国、日本とタイは、似ている部分を多く持っていますね。

だから、タイが好きなのかも知れません。

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