「カフーを待ちわびて」原田マハ  宝島社文庫

 

主人公は沖縄の離島与那喜島で雑貨商を営みながら淡々とした日々を送る友寄明青(ともよりあきお)。

ある日、彼のもとに一通の手紙が届く。「もし絵馬の言葉が本当なら、私をあなたのお嫁さんにしてください___ 」それは明青が友人と遠久島を訪れた際に冗談で絵馬に書いた「嫁に来ないか。」への返事だった。

現れた幸(さち)という女性の本当の目的は何なのか。そして彼女は一体何者なのか。

温かくて、優しくて、ちょっと寂しい、小さな島での物語。

 

 

ん〜〜内容をバラしすぎずその本の魅力を伝えるって難しいなあ。

本作は第1回日本ラブストーリー大賞を受賞した原田マハさんのデビュー作。文庫本で340ページほどなので比較的短く読みやすいと思います。自分自身昨日の夜読み始めて、今日の昼間に読み終わっちゃいました。どんだけ暇やねんって話。そう暇やねん。

 

ここからはネタバレ含みます。

 

感想

原田マハさんの作品を読むのは今回で3作目。

「本日はお日柄もよく」からの「生きるぼくら」からの今作「カフーを待ちわびて」。

当たり当たり当たり。めちゃくちゃ読みやすくて読んだ後にほっこり、あったかい気持ちになるのはこの3作の共通点だなあ。そういう作品が好きなので原田さんの作品に出会えて本当に良かった!

初めて幸が登場した時は「やっときた!」と思った。笑 なんせ90ページを超えての登場だったから!340ページしかないことを考えると、やっぱりあっという間に読み終わる感じがする。後半にかけて、幸は幼馴染の俊一に送り出された女じゃないか疑惑が強まった時は、明青かわいそうに思ったし、俊一にめっちゃ腹たった。それに、いくらお金に困っててもそれに釣られる幸も幸だろって。

そこから誤解が解けて、明青が幸を追いかける姿は胸熱くなる。

順番前後するけど、おばあちゃんが幸にもらった花束を持って帰れとだけ言って、その理由を幸に言えないところも愛情を感じてほっこりする。

他の2作もそうだけど、物語の終わり方がその後を読者の想像に委ねさせてくれる感じが良くてそれと同時に、あー!もっと続き読みたい!ってなる。それが原田マハ作品の一つの特色なんだと思う。それは中途半端な終わり方というわけではなくて、あえて物語の結末をそこに設定し、主人公が前を向いた状態で終わる。だから読者が物語の今後を想像できるし、原田さんの他の作品も気になってくる。あくまで個人の見解。笑

だから読み終わった今思うのは、明青と幸が再開して幸せな日々を送っていくという話を本当に読みたい!!ということ笑

そんでもって今後も確実に原田さんの作品を読んでいくことは間違いない。