皮膚科外用治療薬の基剤(薬のベースになる成分)にはいくつか種類があります。
病変に応じて薬の浸透に最も適した基剤が用いられます。
種類としては、粉末剤、液剤(ローション)、クリーム、軟膏、泥膏、糊膏、硬膏、ゲル膏があります。
粉末剤はタルクやデンプンが主なもので、吸湿乾燥で皮表をなめらかにします。
汗疹や間擦疹を予防します。じくじくした部位に効果があります。
水虫薬のタムチンキパウダースプレーが代表的です。
液剤(ローション)は、水分の蒸発による冷却や保護、浸透作用があります。
紅斑、丘疹、非湿潤性病変(カサカサな状態)、有毛部などに適してます。
クリームは白色乳脂状の半固形物質で、べたつきが少なく、水で洗い落としやすく、塗りごこちも良いです。
時に刺激性を持ちます。紅斑、丘疹、湿潤部位が対象になりますが湿潤部には向きません。
軟膏は透明~半透明の粘ちょう半固形物質です。
皮膚を柔らかく滑らかにし保護する作用がありますが、水で洗い落としにくく、ベタつく傾向があります。
皮膚亀裂部、疱皮、びらん、紅斑、丘疹、非湿潤部、湿潤部、潰瘍など幅広い部位で使用できます。
泥膏は油脂に微粒子の粉末を練り合わせたもので、油脂性軟膏よりも粉末含量が大きいです。
ラッサール亜鉛華パスタや、日焼け止め剤などに利用されてます。
糊膏は、液体にアラビアゴムなどに混ぜて薬剤を皮膚に固着させる働きがあります。
石炭酸亜鉛華リニメントなどがあり紅斑、丘疹、膨疹などに使いますが湿潤面には禁忌です。
硬膏は、薬剤と粘ちょう剤を混ぜ布地に伸ばしたもので病巣に貼付します。硬い皮膚病変部位に適してます。
例としてスピール膏など、イボを軟化させて浸透を良くさせます。
ゲル膏は水・アルコール・プロピレングリコールなどでゲル化したもので乾燥して皮膚に固着させます。
潤滑剤として粘膜に用います。
適材適所で、用いる薬の形態が違ってきます。