手術したことなんて、ちっとも意識しないくらい、脚の動きに仕事中も何ら支障なし。入浴介助も一人でするし、一人で移乗も全然やるし。階段の上り下りも手すりなしで毎日してるし、なんなら1段飛ばして駆け上がることも。

仕事復帰1ヶ月目は、まだまだ休んでた分の余力が体にも心にもあったみたい。だから仕事して帰ってきてもゴロゴロせずに、なにかしらヤりたいことも一杯思い付くしで、買い物に出掛けたり新しい脚での生活が本格的に周りだして、そんな毎日が嬉しくて楽しくて疲れ知らずに動き回ってて。

やっぱり手術して良かったなぁ、こんなに動くのが楽になるなら、なんでもっと早く治さなかったんだろ…とかまるでこの元気がずっと続くように思い込んでた。

でも、その元気も復帰2ヶ月目になると怪しくなってきて、早くも腰痛が顔をだし始めたり、1日の休みじゃ疲れが取れなくなってきたりと、体がまず悲鳴をあげて、3ヶ月目に入った今は、心に黒い色が掛かりはじめている。

もう仕事で疲れきる生活に逆戻りはしたくない。でも職場は、人手不足が改善する糸口が見えないし、人材育成とか職員定着率に関して言えば、むしろ不安材料しか見つからない。勘の良い人は、見切りをつけてドンドン退職してるし。

あんまりにも疲労が蓄積してくると、休日=寝る みたいな感じで、やりたいことさえ思い付かなくなってくる。わかってはいるけど、少ない人数で良心的なケアをしようとすれば、残業必至になるわけで。

今、残っているのは、今さら新しい環境に飛び込むのは…と考えてしまう年代の職員と、中の惨憺たる状況を知らないでやってくる派遣社員、一握りの優秀で真面目な若手職員といったところ..

介護において、仕事ができるってどういうことを指すんだろう。

仕事を終わらせるのが早いこと?

ソレダケじゃない気がするけど、時間を掛けりゃ良いってモノでもないし。

早くて丁寧。

そして何よりサービス業だから
相手のニーズを汲み取る能力も
必要よね…

何だか正直、信頼のおける人間というのが今の職場で見つからない。

介護業界って皆こんなものなのかな。

誠実さを感じられない。

皆、疲弊しすぎて黒くなってしまうのかな…...

私はその黒さと距離を置きたいんだけど、段々その黒さに麻痺していっているのを感じる。

どうしたら良いんだろう?

せっかく新しい脚を手に入れたのに、また仕事で黒くなって潰れてしまうのは、もう嫌だ。

どうにかしたい。

どうすればいいんだろう…....