連載開始「空想科学」小説「細胞戦争」(第1話予告版)
細胞戦争
●エピソード1 (進化)逃走
JAXA(宇宙航空研究開発機構)有人宇宙ミッ
ション本部。アメリカ・ヒューストン駐在員「早
川」は、真剣な面持ちで、NASAの会議室を出
た。
外で待っていた車の中で早川は口早に言った。
「手配を頼む、日本へ向う。今夜だ」。
******************************************
神奈川県の私鉄駅。
真昼の駅前の雑踏を走り抜ける黒髪の少女がいた。
急いで人混みをかきわけていく。
その少女を、物陰から見つめる数人の男達がいた。
彼女は視線を感じたのか振り返ってどこかを見た。
だが、目線の先に人影はなかった。
少女は、そのまま町外れの路地に走り込んだ。後ろ
を振り返りながらも、古びたビルの裏口に向った。
錆びたドアの取っ手をつかみ、中へ飛び込んで閉め
ると同時に、すぐに走り出そうとした少女は、中に
居た誰かにぶつかりそうになった。
少女の肩を押しやった手の主を見上げて、息をのん
だ。
黒眼鏡の男だ。男は無表情で、逃げようとする彼女
の首筋に背後から針を刺した。
少女はなおも逃げようとしたが、視界がぼやけ始
め、崩れ落ちた。
遠くなる意識の中で、少女は心の中で叫んでいた。
Sorry Mam…sorry…
(ごめんね、…ママ… ごめんね)
************************************************
(続く)…「アメンバー」に「公開中」!





