『MOTHER 鳥濱トメ物語』観てきました。
2009年、2010年と二回、観劇してるから6年振り。
あらすじとか結構覚えてるのに涙腺にじんわり迫るシーンにセリフ。。。
教科書だと数行で授業終わってた(と思う)特攻作戦。
舞台では、その特攻作戦に身を投じた一人一人の過酷で壮絶な現実が語られていきます。
爆弾を搭載した零戦でアメリカ海軍の艦船に捨て身の特攻をする。
初めてこの舞台を観たとき、そこに搭乗していた人の気持ちを想像しなかった自分に愕然としたの覚えてます。
死ぬと分かって出撃する。
逃げることもせず大切な人の未来を想い決死の覚悟で特攻作戦に身を投じていく隊員の方々。
実話に基づいて、いくつかのエピソードが舞台上で演じられていきます。
冒頭、語られる言葉。
『何故、あの方たちは突入しなくてはいけなかったのでしょう?』
『何故、あの方たちは突入出来たのでしょう?』
終盤、トメさんが特攻で亡くなった方たちのことを思い出して語る言葉。
『なんで戦争なんかしちゃったんだろうね~』
その問いに明快に答えること。
戦争を知らず、想像することも十分に出来ない自分にその資格はない?
言葉が足りなくても、思いが及ばなくても考えなくてはいけないはず。
でないと、決死の想いで特攻したあの人たちの気持ちが台無しになってしまう。
舞台を見る度、そんなこと考えてしまいます。
三回観ても思いは堂々巡りですが。
『戦争とはジジイが考えておっさんが命令して若造が死んでいく物語』
劇中、隊長さんがこんな風に隊員たちに語り掛けるシーンがあります。
特攻作戦も、ジジイが考えたことなんですか?
おっさんは若い人に有無を言わせず『特攻しろ』と命令したのですか?
終戦間近、アメリカ艦船の攻撃で特攻作戦の成功率はとても低かったとパンフレットにあります。
それでも特攻隊の方は笑顔で出撃したそうです。
※終幕で流れる記録映像でも特攻隊の方は機上で朗らかに笑っていらっしゃいます。。。
次に米軍の記録映像に切り替わり軍艦からの実写映像が流れる中
瞬間、特攻で亡くなった米兵の方をシーツでくるむシーン。。。
戦争とは国と国の偉い人が戦うと決めて若い人が命令に従いお互いの命を奪いあうもの。
特攻作戦が成功した時、沢山のアメリカの兵隊さんの命も奪ったはず。
夢を断ち切って大切な人を想いながら出撃した人が結果的に同じように夢を持った別の人の命を奪う。
そして、その人達を大切に思っている人の心に深い悲しみやを苦しみ与えてしまう。。。
『なんで戦争なんかしちゃったんだろうね~』
なんでこんな取返しのつかないことをしてしまったんだろうね。。。
やっぱり思いは堂々巡り。
分かりません。