泣いている保乃の側で、私は無性にイライラしていた。
私のせいで、保乃をここまで追い詰めてしまった。
悪いのは全部私。
どうして保乃の気持ちに気づけなかったんだろう。
どうして保乃を頼ろうとしなかったんだろう。
センターのプレッシャー?
そんなのただの言い訳だ。
病んでしまった弱い自分が許せなかった。
弱い自分をもう二度と誰にも見せたくなかった。
結局プライドが邪魔をして、本当の自分の気持ちを曝け出せなかったに過ぎない。
私は前から何も成長していないな...。
「保乃、聞いてほしいことがあるの。」
「グスッ...なに?...ひーちゃん...。」
私は自分の気持ちを保乃へ正直に伝えた。
話終わった後、心にずっとあった重い何かが、スーッと消えていく様に感じた。
「ひーちゃんは1人じゃないねんで...。」
保乃はそう言って、ただ抱きしめてくれた。
保乃の体温があたたかい。
私たちは抱き合ったまま眠った。
目が覚めると、空はすっかり明るくなっていた。
どこからか、トントントントンと小刻みな音が聞こえてくる。
ボヤける視界であたりを見渡すと、隣で寝ているはずの保乃がいない。
「クンクン...あれ、なんかめっちゃいい匂いがする...。」
匂いにつられてベッドから出ると、保乃がキッチンで料理をしていた。
「あ!ひーちゃんおはよ〜!よく眠れた?」
「おはよ...。めっちゃよく眠れたよ。」
「良かった〜!朝ご飯もうすぐ出来るから、ちょっと待っててな!」
そう言いながらテキパキと作業をこなしていく保乃の姿を見て、私は何故か妙に嬉しくなった。
保乃が私のために朝ご飯を作ってくれている。
保乃が料理している姿を見れるのは、今私しかいない。
その事実がとても嬉しい。
なんだろう、今まで感じた事のない気持ちだ。
「出来たで〜食べよ〜」
食卓に見事な朝ご飯が並んでいる。
料理も得意とか、めっちゃ女子力高いじゃん...。
「うわっ、めっちゃ美味しい。」
「ホンマ?頑張って作った甲斐があったわぁ!」
美味すぎて、箸が止まらない。
「もう、ご飯粒がついてるで?」
保乃がそう言って、私の口についたご飯粒を取って食べた。
え、可愛すぎるんだが。
そこで私は思う。
昨日の夜、自分がなんであんなにもイライラしたのか、ようやく分かった。
なんで保乃に弱みを見せたくなかったのか。
なんで保乃に心配かけたくなかったのか。
どうして保乃を追い詰めた自分が許せなかったのか。
答えはとっても簡単だった。
「保乃...。」
「ん?」
「私も好きだよ。」
それは“好き”という感情だ。
いや、“恋愛としての好き”という感情。
学校で教えてくれない“好き”の違い。
でも今ならはっきり分かる。
私は保乃に恋をした。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
だいぶやっつけ仕事になってしまいましたが、これにて「分からない。」は完結でございます。
展開も内容もグチャグチャで、本当に読んで下さった方々には感謝しかない...(T-T)
いつか保乃sideも書こうと思います。
明日からも投稿していきますので、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m
