「志那都比古神よ!」
そう叫んだ陵の声が聴こえた。
「え…?」
あたしはあっという間に屋上の上に座っていた。
「鎮守の神よ、この緋扇に宿れ」
そう言って女の子をいつものように除霊はした。
除霊してすぐ、陵はこっちに向かって歩いてきた。
そして…
「ペチン…」 「……」
陵があたしの頬を叩いた。
「…どう……して。」 「……」
「どうしてあんなことするんですか!」
「……別に関係ないじゃん、ほっていて。」
あたしはそういって立ち上がった。
「パシ!」
「離して。」「嫌です。」
「離せっつってんだろ!」
「嫌です!」
「うるさい!あんたなんか嫌い!
離せ!」
あたしはそう言って手を振り払った。
そして走って逃げた。
だけど、陵はどこまでもついてくる。
「ついてこないで。どっかいって」
「嫌です。」
「ついてくんな!」
もう、やめて。
お願いだから。
あたしの前に現れないで。
「お願いだから1人にさせて。
どっかいって。」
「……どうしてあなたはなんでも1人で抱え込むんですか。」
「え…?」
「お願いですから、僕を頼ってください。」
「だめ…。」
だめだよ。陵に迷惑がかかる。
だからだめ。
「無理だから、あともう話しかけないで。さようなら」
あたしはそういって学校をでた。
それから走って家に帰った。