モース硬度
モース硬度 この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2012年2月) モース硬度(モースこうど)、モース硬さ(モースかたさ、英語:Mohs hardness[1])またはモース硬さスケール(モースかたさスケール、英:Mohs' scale of hardness[2])は、主に鉱物に対する硬さの尺度の1つ。硬さの尺度として、1から10までの整数値を考え、それぞれに対応する標準物質を設定する。ここで言う硬さの基準は「あるものでひっかいたときの傷のつきにくさ」であり、「たたいて壊れるかどうか」の堅牢さではない(そちらはじん性を参照)。モース硬度が最高のダイヤモンドであっても衝撃には弱く、ハンマーでたたくなどによって容易に砕ける。また、これらの硬度は相対的なものであるため、モース硬度4.5と示されている2つの鉱物があったとしても、それらは同じ硬度とは限らない。これは、蛍石で引っかくと傷がつかず、燐灰石で引っかくと傷つくということを示すのみである。数値間の硬度の変化は比例せず、硬度1と2の間、9と10の間の硬度の差が大きいことも特徴的である。一見すると不便な見分け方のようでもあるが、分析装置のない野外においては、鉱物を同定するために役立つ簡便で安価な方法である。モース硬度の「モース」は、この尺度を考案したドイツの鉱物学者フリードリッヒ・モースに由来している。「滑石方(かっせきほう)にして蛍燐(けいりん)長く、石黄鋼(いしおうこう)にして金色なり」という語呂合わせの覚え方がある。目次 1標準物質 2身近な物の硬度(目安) 3修正モース硬度 4脚注 5関連項目標準物質 標準物質のモース硬度 モース硬度 標準物質 化学式 絶対硬度 画像 解説 1 滑石 Mg3Si4O10(OH)2 1 最も軟らかい鉱物で、つるつるした手触り。爪でたやすく傷をつけられる。 2 石膏 CaSO4·2H2O 3 指の爪で何とか傷をつけることができる。 3 方解石 CaCO3 9 硬貨でこするとなんとか傷をつけることができる。 4 蛍石 CaF2 21 ナイフの刃で簡単に傷をつけることができる。 5 燐灰石 Ca5(PO4)3(OH–,Cl–,F–) 48 ナイフでなんとか傷をつけることができる。 6 正長石 KAlSi3O8 72 ナイフで傷をつけることができず、刃が傷む。 7 石英 SiO2 100 ガラスや鋼鉄などに傷をつけることができる。 8 トパーズ(黄玉) Al2SiO4(OH–,F–)2 200 石英に傷をつけることができる。 9 コランダム(鋼玉) Al2O3 400 石英にもトパーズにも傷をつけることができる。 10 ダイヤモンド(金剛石) C 1600 地球上の鉱物の中で最も硬く、コランダムにも傷をつけることができる。 硬さを計る試料物質で標準物質をこすり、ひっかき傷の有無で硬さを測定する。現実に存在する化学物質(人工物、天然物)の中で、モース硬度として最も硬いものはダイヤモンドである。身近な物の硬度(目安)[編集] 身近な物の硬度(目安) モース硬度 物質 2.5 人間の爪、象牙、琥珀 3.5 銅製硬貨 4.5 釘(木工用) 5 ガラス 5.5 ナイフの刃 7.5 鋼鉄のやすり 修正モース硬度15段階に修正された修正モース硬度が使われる。 修正モース硬度 旧モース硬度 鉱物 ヌープ硬度 1 1 滑石 2 2 石膏 3 3 方解石 4 4 蛍石 5 5 燐灰石 6 6 正長石 7 溶融石英 8 7 水晶(石英) 9 8 黄玉(トパーズ) 10 柘榴石 11 溶融ジルコニア 12 9 溶融アルミナ 2100 13 炭化ケイ素 2500 14 炭化ホウ素 2750 15 10 ダイヤモンド 9000 脚注 [] ポータル鉱物・宝石 文部省、日本物理学会編 『学術用語集物理学編』培風館、1990年。ISBN 4-563-02195-4。 文部省編 『学術用語集 地学編』日本学術振興会、1984年。ISBN 4-8181-8401-2。関連項目 ウィキメディア・コモンズには、硬さに関連するカテゴリがあります。 硬さ 計量単位一覧 モース硬度 1滑石・2石膏・3方解石・4蛍石・5燐灰石・6正長石・7石英・8トパーズ・9コランダム・10ダイヤモンド カテゴリ: 硬さ