「死後の世界は存在しない」場の量子論(QFT)学者が断言!むしろ超新科学がスピリチュアル【前半】

2017.09.12

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宗教と科学の融合には新たな議論が必要とされている

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シーン・キャロル教授 画像は「Wikipedia」より

 宗教やスピリチュアルな世界をバッサリと一刀両断にしているキャロル教授の物言いだが、決して頭から宗教や信仰を否定しているわけではないようで、新たな段階の議論が始まることもまた期待しているようだ。

「死後の世界を信じるためには物理学の標準モデルを超えた理論が必要になります。最も重要なのは“新しい物理学”が私たちの知識と相互作用するための何らかの方法が必要だということです。場の量子論にはこれまでの知識と相互作用する“スピリチュアル”な要素はないのです」(シーン・キャロル教授)

 キャロル教授によればこうした理解がすべてのサイエンティストに行き渡った暁には、人間の精神の働きを理解する新たな時代が到来するということだ。

「現代科学の知識とまったく両立しない“スピリチュアル”な考え方に対してなにも不可知論者になる必要はありません。こうした非科学的なものに対する態度を克服できれば、人間と意識がどのように機能しているか、もっと興味深い研究分野が拓けています」(シーン・キャロル教授)

 自らを詩的自然主義者(poetic naturalist)と呼び、無神論者であることを公にしているキャロル教授だが、過去には仏教徒の学者との対談や、宗教と科学の関係を話し合う会議にも参加している。これらのことからも、決して宗教を否定しているわけではなく、宗教と科学の関係はこれまでと異なる新たなステージで話し合われるべきであるという立場をとるようだ。

 宗教と科学の融合については、チベット仏教のダライ・ラマ14世をはじめ各界から今後の人類にとって重要な課題であることが指摘されている。この分野においてキャロル教授も重要なキーパーソンになったと言えるのかもしれない。今後の事態の進展にも注目したい。
 


参考:「Express」、ほか