インセプション
インセプション | |
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Inception | |
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監督 | クリストファー・ノーラン |
脚本 | クリストファー・ノーラン |
製作 | エマ・トーマス クリストファー・ノーラン |
製作総指揮 | クリス・ブリガム トーマス・タル |
出演者 | レオナルド・ディカプリオ 渡辺謙 ジョゼフ・ゴードン=レヴィット マリオン・コティヤール エレン・ペイジ トム・ハーディ キリアン・マーフィー トム・ベレンジャー マイケル・ケイン |
音楽 | ハンス・ジマー |
撮影 | ウォーリー・フィスター |
編集 | リー・スミス |
製作会社 | レジェンダリー・ピクチャーズ シンコピー・フィルムズ |
配給 | ワーナー・ブラザース |
公開 | ![]() (ロンドン・プレミア) ![]() ![]() |
上映時間 | 148分 |
製作国 | ![]() ![]() |
言語 | 英語 |
製作費 | $160,000,000 |
興行収入 | $292,576,195 ![]() $825,532,764 ![]() 35.0億円 ![]() |
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『インセプション』(原題: Inception)は、クリストファー・ノーラン監督・脚本・製作による2010年のアメリカのSFアクション映画。第83回アカデミー賞では作品賞、脚本賞、撮影賞、視覚効果賞、美術賞、作曲賞、音響編集賞、録音賞の8部門にノミネートされ、撮影賞、視覚効果賞、音響編集賞、録音賞を受賞した。全米脚本家組合賞ではオリジナル脚本賞を受賞した。
目次
1あらすじ
2配役
2.1備考
3製作
4音楽
5公開
5.1宣伝
5.2興行収入
5.3批評家の反応
5.4受賞歴
6ソフト化
7脚注
8参考文献
9外部リンク
あらすじ
ドミニク・コブ(通称コブ)とアーサーは、標的の無意識に侵入する軍の実験段階の技術を用いて、標的の夢から重要情報を引き出す、「引き出し人」と呼ばれる産業諜報員(産業スパイ)だった。ところが、今回の標的である日本人実業家サイトウは、コブが、標的の無意識にある考えを植え付ける(inception)、遂行困難な仕事をこなせるか試したと言う。
病気である競争相手モーリス・フィッシャーが経営するエネルギー複合企業を破滅させるために、サイトウは、コブに、モーリスの息子で後継者であるロバートに父親の会社を解体させるよう納得させる事を依頼する。サイトウは、見返りとして、コブの殺人容疑を取り消して、コブが子供達の待つ家に戻れるように影響力を行使する事を約束する。コブは依頼を引き受け、口達者な「なりすまし人」イームス、夢を安定させる強力な鎮静薬を調合するユスフ、亡き妻の父であるステファン・マイルズ教授の助けで勧誘した、夢の中に設置する迷宮を設計する建築学科の学生アリアドネで組織を組む。アリアドネは、入り込んだコブの夢の中で、亡き妻モルが侵略的に投影されているのを知る。
モーリスがシドニーで亡くなり、コブ達は、鎮静薬を投与し、夢に侵入するために、ロバートをロサンゼルスまでの飛行時間10時間の便に乗せる。サイトウは、コブが成功するのを確認するために同行する。
配役
役名 | 俳優 | 日本語吹き替え | |
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劇場公開版 | テレビ朝日版 | ||
ドム・コブ | レオナルド・ディカプリオ | 内田夕夜 | 浪川大輔 |
サイトー | 渡辺謙 | ||
アーサー | ジョゼフ・ゴードン=レヴィット | 土田大 | 松田洋治 |
モル・コブ | マリオン・コティヤール | 五十嵐麗 | 冬馬由美 |
アリアドネ | エレン・ペイジ | 冠野智美 | 白石涼子 |
イームス | トム・ハーディ | 咲野俊介 | 平田広明 |
ユスフ | ディリープ・ラオ | 木村雅史 | 江川央生 |
ロバート・フィッシャー | キリアン・マーフィー | 三木眞一郎 | 小山力也 |
ピーター・ブラウニング | トム・ベレンジャー | 石塚運昇 | 谷口節 |
モーリス・フィッシャー | ピート・ポスルスウェイト | 丸山詠二 | 納谷悟朗 |
ナッシュ | ルーカス・ハース | 川中子雅人 | 勝杏里 |
マイルス教授 | マイケル・ケイン | 小川真司 | 糸博 |
フィリッパ・コブ(3歳) | クレア・ギア | ||
フィリッパ・コブ(5歳) | テイラー・ギア | 諸星すみれ | 釘宮理恵 |
ジェームズ・コブ(20ヶ月) | マグナス・ノーラン | ||
ジェームズ・コブ(3歳) | ジョナサン・ギア | 関根航 | 金田朋子 |
マリー | 蓬莱照子 | ||
タダシ | タイ=リー・リー | 杉山大 | |
ブロンドの女 | タルラ・ライリー | にしおかすみこ | 恒松あゆみ |
老人 | アール・キャメロン | 真田五郎 | |
やせた男 | ティム・ケルハー | 内田聡明 | |
斉藤の部下 | ユウジ・オクモト |
- 劇場公開版吹き替え - DVD・BD収録
- 字幕/吹き替えとも翻訳はアンゼたかし。吹き替え版演出は『バットマン ビギンズ』も手掛けた小山悟が担当した。
- テレビ朝日版吹き替え - 初回放送2012年6月10日 21:00~23:39『日曜洋画劇場』※ノーカット
備考
- ディカプリオは製作にあたり、まず初めにキャスティングされた[4]。
- 渡辺謙は『バットマン ビギンズ』に次いでノーラン作品に参加。直接ノーランに電話で出演依頼を受け、即承諾したという[5]。
- 当初アーサー役にはジェームズ・フランコがキャスティングされていたが、スケジュールが合わず降板[6]。しかし、レヴィットは代役ながらアカデミー助演男優賞に相応しいと評論家に推される[7]までの存在感を見せた。
- ハーディ演じるイームスが登場するアフリカの街は、劇中ではケニアのモンバサになっているが、撮影されたのはモロッコのタンジェである[8]。
- 劇場公開版吹き替えでのにしおかすみこの起用は渡辺謙からの指名であり、にしおかが出演している「紳助社長のプロデュース大作戦!」で直接伝えられた。
- テレビ朝日版吹き替えでモーリス・フィッシャー役のピート・ポスルスウェイトの吹き替えを担当した納谷悟朗はこの作品の収録直後に体調を崩してそのまま復帰することなく2013年3月5日に死去したため、今作のテレビ朝日版は納谷の遺作となった[9]。
製作
劇中で参照されるイギリスの数学者ロジャー・ペンローズによるペンローズの階段。マウリッツ・エッシャーなどの作品に深く影響を与えた。
クリストファー・ノーランが10年ほど前から構想を練っていた脚本であり、イギリス系アルゼンチン人の作家であるホルヘ・ルイス・ボルヘス著「伝奇集」の短編「Las ruinas circulares(円鐶の廃墟)」や「El milagro secreto(隠れた奇跡)」から着想を得たという[10][11]。 2002年、『インソムニア』の撮影を終えたノーランはワーナー・ブラザースに対して、夢の中に入り込む泥棒を描いた80ページほどの映画の脚本と、重力が反転するホテル内での格闘シーンを描いたコンセプト画を提示した[12][13]。 このホテルの格闘シーンのコンセプト画をワーナーが気に入り、映画化することが決定した[13]。 当初はホラー映画として製作される予定であった[12]。 しかし、本作の脚本を執筆中にダークナイト3部作の撮影があり、またノーラン自身もインセプションをよりスケールの大きな映画にしたいという気持ちが生まれたため、脚本が完成するまでに8年の時間を要した[14]。 2009年2月11日、ワーナー・ブラザースよりノーランから本作の脚本を購入したことが発表される[15]。ノーランはインセプションに影響を与えた映画として『マトリックス』『ダークシティ』『13F』を挙げている[16][17]。また、パプリカ (アニメ映画)からも着想を得たことを監督が認めている[18]。
同年6月19日に東京で製作が始まり、ロサンゼルス、ロンドン、パリ、タンジェ、カルガリーなど世界各所で撮影が行われた[19]。
東京では、新幹線車内での撮影やヘリの空撮、都内の高層ビル(アークヒルズ[脚注 1])のヘリポートでの撮影が行われた[20]。また、映画の中に新幹線の走行シーンが登場するが、制作側から日本のイベント・映画製作会社に「緑あふれる田園風景を新幹線が駆け抜ける場所[脚注 2]」との依頼があり、「監督(クリストファー・ノーラン)好みの車両がすれ違うシーン[脚注 3]」を調べたうえで、静岡県富士川付近で撮影された[20]。
主要な撮影は7月13日より開始された[21]。7月15日には、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの図書館で撮影が行われた。図書館の標識はフランス語に変更された[22]。8月17日、セーヌ川のビラケム橋周辺で撮影が行われた[23][24]。また、8月24日にはモロッコで撮影された[25]。9月27日からはロサンゼルスで撮影が始まった。