多元宇宙論 曖昧さ回避「マルチバース」Ⅰ【冒頭】目次 概要

 

単に距離によるもの

詳細は「宇宙のインフレーション」を参照

現在の宇宙論がインフレーションを想定する限り、観測可能な宇宙以上の空間を必然的に内包する。

つまり同一のビッグバンから生まれた領域内に、決して物理的に干渉、観測できない領域を複数選ぶことができる。物理的に干渉できないのだからこれは一種の別の宇宙であり、平行宇宙である。ただし基本的には超遠方であるだけであって、基本的な物理法則、物理定数、および素粒子の種類は合致すると考えられる。

複数の泡によるもの

ある種の物理理論によると、インフレーションの過程で複数のが出来てしまってもよい。上記の多元宇宙はここでいうところの泡の中で別の場所という話にすぎず物理定数と素粒子の共通性があるが、この場合別の泡では物理定数と素粒子が異なってもよい。

多世界解釈

量子力学の解釈の一つで波動関数の収縮を想定せず、すべての解に対応した世界があるとするもの。

多次元によるもの

我々が住む宇宙は無限ないし多くの次元を持つバルク(空間)に浮かぶたったの三次元のブレイン(膜)であるとするもの。当然、バルク内に複数のブレインがあることが許容される。

万物理論の自由性によるもの

万物理論が(どんな形をとるのかは別として)存在し、そこに何らかの物理定数が含まれる場合、なぜ物理定数は他の値ではいけなかったのかという疑問が生ずる。一番簡単な説明は有りうる値すべての宇宙が実在し、たまたま我々の宇宙ではその値であり、そうでなければ我々は生まれなかった、という人間原理によるものである。

物理学における多元宇宙仮説