銀河ヒッチハイク・ガイド

銀河ヒッチハイク・ガイド』(ぎんがヒッチハイク・ガイド、原題: The Hitchhiker's Guide to the Galaxy)は、イギリス脚本家ダグラス・アダムスが書いたスラップスティックSFシリーズ。また、その第1作のタイトルであり、作中に出てくる架空の電子本の名前でもある。

大森望の言葉を借りれば「バカSFの歴史に燦然と光り輝く超弩級の大傑作」。ブリティッシュ・ジョークを満載したこのシリーズは、大元のラジオドラマがスタートした当初から人気があり、小説版はベストセラーになり、35か国語に翻訳されて、全世界で約1,600万部が売れたとされ[1]、いまなおカルト的な人気を誇る。

1978年にイギリス・BBCのラジオ4が放送したラジオドラマからスタートし、その後これを基に小説版(1979年 - 1992年)、テレビ版(1981年)、ゲーム版(1984年)、DCコミックス版(1993年 - 1996年)、舞台版が作られ、2005年にはついに映画化された。略称はHHGHHGGH2G2など。

ドラマ脚本、小説、映画版脚本ともダグラス・アダムスによって執筆された。

 

目次

 

以下のストーリー中に出てくるセリフは説明のために便宜的に作ったものであり、原作のセリフのままではない。また、ストーリーは小説版によっている。

概要

シリーズ概要

銀河ヒッチハイク・ガイドシリーズは、3作の正篇に、続篇2作、外伝の短篇1つを加えた計6作からなるシリーズである。現在、そのすべてが日本語に訳され、入手可能である(詳細は#シリーズ参照)。

  • 正篇
    1. 『銀河ヒッチハイク・ガイド』
    2. 『宇宙の果てのレストラン』
    3. 『宇宙クリケット大戦争』
  • 続篇
    1. 『さようなら、いままで魚をありがとう』
    2. 『ほとんど無害』
  • 外伝の短編
    1. 「若きゼイフォードの安全第一」(『宇宙クリケット大戦争』所収)

ストーリー概要

ある日、地球に宇宙船団が飛来し、「銀河ハイウェイ建設工事の立ち退き期限が過ぎたので、工事を開始する」と言って地球を破壊してしまう。数少ない生き残りの地球人アーサーは、その仲間たちと共に宇宙を放浪する。

ストーリーは小さなエピソードの集合体的な要素が強く、いわゆる起承転結があるわけではない。強いて全体に関わるものを挙げるとすれば、後述する「生命と宇宙と万物」に関する謎のエピソードであろう。

代表的なエピソードを以下に挙げる。

銀河ヒッチハイク・ガイド

  • 地球は銀河ハイウェイの建設予定地に当たるので、工事開始に伴い取り壊される。
  • 地球を破壊することはアルファ・ケンタウリにある出張所に地球年で50年前から公示されていた。
  • 人間は地球上の生命体で一番賢いと思っているが、実は3番目で、2番目はイルカ。
  • イルカは工事を知っていて期限までに立ち退いた。その際、親切にも人間にその事実を教えてくれるが、人間は愚かにもイルカの言っていることを理解できなかった。
  • 宇宙を旅行するためのベストセラー・ガイドブック『銀河ヒッチハイク・ガイド』の「地球」の項目には「無害」とある。
  • その後地球の現地調査の結果、『銀河ヒッチハイク・ガイド』の改訂版では「地球」の項目が多少は改善され、「ほとんど無害」となった。
  • ある宇宙人が「生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え」を計算するためにスーパーコンピューターを作る。750万年かかって導き出した答えは「42」
  • この意味不明な答えに当然納得のいかない宇宙人。スーパーコンピューターは「究極の答え」に対応する「究極の問い」が分からないから「答え」の意味が分からないという。スーパーコンピューターは「問い」を求めるために巨大コンピューターを設計する。その巨大コンピュータは生命体を取り込んだもので、その名は「地球」。あまりに大きいのでよく惑星と間違えられる。「地球」で計算を始めたが、「問い」がわかる5分前に「地球」は建設工事のために破壊されてしまう。こうして「究極の問い」は永遠に失われてしまった。

宇宙の果てのレストラン