【11次元】重力が弱いのは異次元に漏れ出てるから 【前半】
■我々には認識できない次元が存在している
画像は「DailyMail」より
「超ひも理論」の登場によって、それまで異なると思われていた物体が、実は「ひも」の振る舞い方の違いにすぎないという全く新しい捉え方が誕生したのである。1980年代に「超ひも理論」の研究が加速するとそれに伴って、我々が生きている世界は4次元以上の高次元が存在するのではないかという疑問が出てきた。縦、横、高さという3次元に時間という我々が観測できうる以外の高次元の存在、つまり「余剰次元」の存在である。それではいったい、この宇宙は何次元だというのであろうか。
その問いのヒントとなるのが「膜(ブレーン)理論」である。重力をのぞく他の全ての基本粒子は開いたひもで、我々は宇宙が何次元でできていようと、膜の中に閉じ込められており、余剰次元を認識することができないというものだ。物理学者のリサ・ランドール氏はこの状態を、バスルームの壁についた水滴だと例える。水滴は壁面を移動することはできるが、そこから飛び出して移動することはできない。バスルーム自体が高次元の世界であろうと、水滴という膜に覆われている以上それを認識することができないというのだ。
ロンドン、クイーン・メアリー大学のクリス・ホワイト教授は「宇宙に存在するあらゆるものは素粒子ではなく、ひもによって構成されている。この膜理論を展開していくと宇宙は、10次元の空間と時間の計11次元であるのです」と語る。またクリストフ・ガルファール博士は自身の著作「The Universe in Your Hand」の中で、「膜が隣り合うような場所ではブラックホールがまるで歪んだ時空同士を結ぶチューブのような働きをして、他の宇宙との架け橋になっている」と述べている。さらに「もしそんなことがあれば、別の宇宙に何か他の生命体が存在しているかもしれないと思うだろう。ブラックホールは、あなたと彼らを結ぶ抜け道のようなものなのです」とも記している。