広汎性発達障害 Ⅰ【前半】目次 概要
分類
ICD-10に基づいて分類すると、F84 広汎性発達障害における下記のものが概ね該当する[6]。
F84.0 小児自閉症
小児自閉症(Childhood autism)、カナー症候群[6]。自閉的精神病質は除外される[6]。
3歳までに形成されるPDDであり[6]、診断基準としては3つの点が基本障害とされている。
てんかんなどの脳波異常や脳室拡大が合併する事もある。 難治性ではあるが特定の症例を除き進行性ではなく、一患者に於いては発達が見られる。古典的タイプのカナー型自閉症の発症率は約1,000人に1人で男:女=4:1とされる。人種による差はない。アスペルガー症候群を除き言葉の発達の障害が見られるため聴覚障害と鑑別しなければならない。聴覚障害や癲癇(てんかん)は、脳波検査で判定できる。治療は、コミュニケーションを促す療育的対応を基本として、個別一過性の症状には対症的な薬物療法を行う。薬物療法は、自傷行為に対して向精神薬を用いる等する。
F84.1 非定型自閉症
非定型自閉症[6]、非定型小児精神病[6]、自閉的特徴を伴う精神遅滞。
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F84.2 レット症候群
レット症候群は、1965年、ウイーンの小児神経科の医師アンドレアス・レット (Andreas Rett) 博士によって一つの症例が発表され、彼の名を取って「レット症候群」と名付けられた[1]。進行性の神経疾患で、知能や言語・運動能力が遅れ、常に手をもむような動作や、手をたたいたり、手を口に入れたりなどの動作を繰り返すことが特徴。生後六ヶ月から一年六ヶ月の頃に発症[1]。児童期には体幹失調・脊椎変形・舞踏病様運動・てんかん発作が現れ、進行性。運動機能が崩壊する。精神遅滞は重度。ほとんど女児に発症。発症率は女児10万人に6-7人といわれている[1]。
F84.3 その他の小児期崩壊性障害・児童期崩壊性障害
小児期崩壊性障害、ラー症候群、共生精神病、崩壊精神病。
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F84.4 知的障害(精神遅滞)と常同運動に関連した過動性障害
精神遅滞と常同運動に関連した過動性障害
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F84.5 アスペルガー症候群
アスペルガー症候群[6]、自閉的精神病質[6]、小児シゾイド障害[6]、小児期型統合失調症。一般的には自閉症の軽度例と考えられている[要出典]が、自閉傾向が強い場合は社会生活での対人関係に大きな問題が起きるため、必ずしも知的障害がないから問題も軽度であるとは限らない。言語・認知的発達の遅滞は少なく自閉症とは区別される。アスペルガー症候群は、知的障害のある例は少なく言葉の遅れもないため、障害があるようには見えないことが多い。人前で独り言を言ったり常同運動をしたりすることは極めて稀である。一見自閉症にはみえない自閉症といえる。その為に支援が遅れがちで、大人になってからの診断例も目立つ。2013年刊行のDSM-5では、それぞれ別に分類されていた自閉性障害、アスペルガー症候群、広汎性発達障害が、自閉スペクトラム症/自閉スペクトラム障害に統合されるなどの大きな変更があった。
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F84.8 その他の広汎性発達障害
自閉性精神発達遅滞
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F84.9 広汎性発達障害,詳細不明
上記の広汎性発達障害のいずれにも分類されないものを指す。
DSM-IV-TRでは、特定不能の広汎性発達障害が該当する。
高機能広汎性発達障害
広汎性発達障害のうち、知的障害を伴わないものを高機能広汎性発達障害(英: High Functioning Pervasive Developmental Disorder、略称は、HFPDDとなるが、一般的には、「高機能PDD」と称している)としている。ここでの「高機能」とは、知的障害のないという意味であり、障害の度合いや複雑度などを指すものではない点に注意が必要である。
主に、高機能自閉症 (High Functioning Autism) とアスペルガー症候群 (Asperger Syndrome) の総称として用いられているが、双方の症状に境界線が明確に引けない場合もあるため、包括して「高機能PDD」とされる場合もある。
専門家によっては、高機能広汎性発達障害と(いわゆる、従来型自閉症とも称される)知的障害を伴う自閉症の境界も区別できないケースあるいは、連続性があり不可分であるという考え方もあるとして、さらにそれらを包括した「自閉スペクトラム症(英: Autistic Spectrum Disorders)」として扱う場合もある(東北大学大学院教育学研究科の黄淵煕などが、これらの説を支持し提唱している)。
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