日本の年金 Ⅳ【前右】財政検証 影響を与える要素 歴史 戦…

 
 

戦後

戦後、1950年社会保障制度審議会勧告では、被用者年金と、非拠出型社会扶助年金の2本立てが構想されていた[9]。しかしこれは従来からの拠出者の抵抗により頓挫している[9]

1958年に国会議員互助年金、1959年に「国民年金」というように、職域ごとに年金制度が制定されていった。非拠出型年金は老齢福祉年金として、拠出制国民年金への積立が不足する者を対象としてミーンズテストを実施の上で行う、経過的な措置として制定された[9]

中曽根内閣から

産業構造の変化等により財政基盤が不安定になったことや加入している制度により給付と負担の両面で不公平が生じていたことから、1984年中曽根内閣では、、職域集団ごとに分立していた制度を見直し、全国民共通の基礎年金制度を導入する大改正を行うことが閣議決定され、1985年に実施された[要出典]

  • 1985年改正では、制度成熟期に加入期間が40年に延びることを想定して、給付単価・支給乗率を段階的に逓減する給付水準の適正化。サラリーマンの妻の国民年金への加入(第3号被保険者制度の創設)による女性の年金権の確立。20歳前に障害者となった者に対する障害基礎年金の保障。5人未満の法人に対する厚生年金の適用拡大。女性の老齢厚生年金の支給開始年齢を2000年までに段階的に55歳から60歳に引き上げ。
  • 1989年改正では、完全自動物価スライド制の導入。学生の国民年金への強制加入。国民年金基金の創設。
  • 1994年改正では、60歳代前半の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢を2013年までに段階的に60歳から65歳に引き上げ。在職老齢年金を賃金の増加に応じて賃金と年金額の合計額が増加する仕組みへの変更と失業等給付との併給調整。賃金再評価を税・社会保険料を除いた可処分所得の上昇率に応じた方式へ変更。育児休業中の本人負担分の厚生年金保険料を免除。
  • 1996年改正では、旧公共企業体3共済(JRJTNTT)の厚生年金への統合。

小泉内閣から

  • 2000年改正では、老齢厚生年金の報酬比例部分を2025年までに段階的に60歳から65歳に引き上げ。65歳以降の年金額は物価スライドのみで改定。厚生年金の報酬比例部分の給付を5%適正化、ただし従前額を保障。厚生年金加入を70歳未満まで拡大し、65歳〜69歳の在職者に対する在職老齢年金を創設。賞与等にも同率(13.58%)の保険料を賦課し、給付に反映する総報酬制の導入。育児休業中の事業主負担分の厚生年金保険料の免除。国民年金保険料の半額免除制度と学生納付特例制度の創設。
  • 2001年改正では、農林漁業団体職員共済組合の厚生年金への統合。

2004年改正では、保険料負担と年金給付のバランスを図るため、保険料負担の上限を固定し、基礎年金の国庫負担割合を2分の1へ引上げる及びおよそ100年かけて積立金を取り崩して(最終的に年金給付費用1年分程度を残す)年金給付に充当させることにより、保険料の引上げをできるだけ抑制する。また、社会全体の所得・賃金の変動(経済変動)や平均余命の伸び・合計特殊出生率(人口変動)に応じて、年金額の改定率を自動的に設定し給付水準を調整するマクロ経済スライドの仕組みを導入して、年金給付をゆるやかに削減し、保険料上限による収入の範囲で給付水準50%以上を確保するとした。

この改正の背景には、少子高齢化による世代間の問題やグローバル化のなかで労働コストを抑制したいという理由から、保険料の引上げが極めて厳しくなっているという状況があった。

保険料
  • 厚生年金保険料は、2004年10月から保険料率(労使折半)を毎年0.354%引き上げ、2017年9月から18.3%に固定する。
  • 国民年金保険料は、2005年4月から毎年280円ずつ引き上げ、2017年度には月額16,900円に固定する。
  • 若年者納付猶予制度の創設。
  • 保険料の申請免除等の承認期間の遡及。
  • 多段階免除制度の導入。
年金給付
  • 60歳代前半の在職老齢年金の一律2割支給停止を廃止。
  • 65歳以降の老齢厚生年金の繰り下げ制度の導入。
  • 70歳以上の在職者に60歳代後半の在職老齢年金のしくみを適用(ただし、保険料納付はなし)。
  • 特別障害給付金制度の創設。
  • 障害基礎年金の受給権者は、65歳以降老齢厚生年金又は遺族厚生年金との併給が可能。
  • 離婚した時に婚姻期間の厚生年金の分割が可能(ただし、夫婦間の合意または裁判所の決定が必要)。
  • 離婚した時に第3号被保険者期間について厚生年金の分割が可能。
  • 子のいない30歳未満の妻に対する遺族厚生年金は5年間の有期年金とし、中高年寡婦加算の支給は夫死亡時40歳以上を対象とする。
  • 保険料納付実績や年金見込額等の年金個人情報の定期的な通知とポイント制の導入。

民主党政権から