ボーイスカウト日本連盟 Ⅰ【冒頭】目次

 
 

教育

部門

年齢によって

  • ビーバースカウト小学校入学前年の9月 - 小学校2年生)
    • 就学前については、小学校入学直前の1月からか、もしくは隊および団が対応できる場合は、就学前年の9月から受け入れることができる。
    • 活動自体は小学2年生までとするが、その中でも小学2年生は、ビッグビーバーとなり、カブスカウトへ上進する準備期間であると共に、年下のビーバー隊のスカウトの面倒もみる。
    • カブスカウトよりも幼い児童にもスカウト活動を、との声が広がったことと、カブ隊のスカウト(とその親)に同行して兄弟もついでにカブに入隊できないかという声が多かったこと、また外国でも同様の現象がみられ既にビーバースカウト年齢相当の隊を発足している国がいくつかあったことなどから、この制度が導入された。ビーバースカウト制度はもともとカナダ連盟のもので、それに倣い、日本の子どもにも対応できるプログラムを研究して日本で発足させたもの。この制度を日本連盟に採用する際に新たな呼称を作ろうとしたが、日本らしい動物の名称が見つからなかったため、カナダ連盟の“ビーバー”の名をそのまま使うこととなった。
    • 小学校2年生の9月以降は上進準備のためにカブ隊で「りすの道」の課程を履修することができる。上進の時期については小学校2年生の9月以降で各隊・団が独自に決めることができるが、小学校2年生を修了した後は、ビーバー隊に留まることはできない。
  • カブスカウト小学校2年生二学期 - 小学校5年生)
    • カブ(cub)は「幼獣」のこと。そのため国によっては“ウルフ・カブ”とも呼ばれる。
    • カブ隊では、カブスカウトたちの自然な仲間の集団として組長(ボス)を中心とする組(デン)を作り、兄貴分であるデンコーチ(ボーイスカウト)と、よき理解者であるデンリーダー(保護者などの成人指導者)が補佐するという形の班制教育を行う。デン(den)は獣の巣。
    • 進歩制度としては、年齢により区分された必修科目のステップ章と、興味のある分野に挑戦する選択科目のチャレンジ章がある。ステップ章には動物の名前が設定されており、入隊後すぐに「りすの道」の課程を履修した後、小学校2年の9月から小学校3年の8月までは「うさぎ」の課程、小学校3年の9月から小学校4年の8月までは「しか」の課程、小学校4年の9月以降は「くま」の課程を履修し、各課程を修了するとクリア章(完修章)がもらえる。各ステップ章は、期間内に修了することが望ましいが、たとえ修了しなくても期間が過ぎれば次のステップ章の課程に進まなければならない。
    • 小学校5年生になると、ボーイ隊への上進準備のため上進章を着用し、カブ隊とボーイ隊の指導者の協力により運営される「上進章集会」に参加して上進章課目を履修する。上進章集会に参加する「くまスカウト」たちを、カブコールの歌詞に残っている旧課程の呼称で「月の輪熊(つきのわぐま)」と呼んだり、上進章集会を「月の輪組集会」や「月の輪班集会」と呼ぶ隊も多い。なお、上進の時期については小学校5年生の9月以降で各隊・団が独自に決めることができるが、小学校5年生を修了した後は、カブ隊に留まることはできない。
  • ボーイスカウト(小学校5年生二学期 - 中学校3年生)
    • スカウト運動は班制教育進歩制度野外活動という3つの柱によって各年齢層に合ったプログラムが作られており、これは全ての部門において共通だが、ボーイスカウト部門はその中核をなしている。班制教育では班長と班員という構成で団体行動を学び、進歩制度では個人としての技量を鍛える。年齢に関係なく入隊したスカウトは、ボーイスカウトバッジを着用し、初級スカウト2級スカウト1級スカウト菊スカウトへの進級を目指す。進級する際、必ず隊長や団関係者と面接を行う。2級スカウトになって初めて一人前のスカウトとみなされ、日本ジャンボリー等への参加条件となる。ボーイスカウト部門の進歩制度における最高のランクとして設定されているのが菊スカウト章で、取得者は「菊スカウト」と呼ばれる。菊スカウトへの面接は地区の面接を行う。1級・菊章スカウトは、ベンチャー隊へ上進後そのまま章をベンチャー章をとるまで着用できる。また、菊章はベンチャー章取得以後ローバースカウトまでスカウト顕彰「菊」を着用できる。
    • その他に、ターゲットバッジマスターバッジ技能章という特定分野への選択科目も設定されている(技能章はベンチャー隊と共通)。
    • ベンチャー隊への上進の時期については中学校3年生の9月以降で各隊・団が独自に決めることができるが、中学校3年生を修了した後は、ボーイ隊に留まることはできない。中学3年生のベンチャー隊でボーイ隊のとき1級の人は中学生である年度末まで菊スカウトに挑戦可能である。
  • ベンチャースカウト(中学校3年生二学期 - 高校3年生時3月末)
    • シニアースカウト。旧制度におけるシニアースカウトは、「自主性」という点において充分なプログラムであったとは言えなかったため、ベンチャースカウトへと発展的に解消された。
    • ベンチャースカウトは、ボーイスカウトと異なりプロジェクトに対して自主的な企画・計画、実行、評価・反省、報告が求められている。この一連のサイクルが評価された場合は、プロジェクトアワード(現行規定)⇒プロジェクトバッチ(改正後)が授与される(社会・地球環境、国際文化、高度な野外活動、体力づくり・スポーツ、文化活動、専門分野の探究、奉仕活動、ジュニアリーダーの8分野から成る)。
    • ボーイスカウトのような班制度はないが、活動ごとに活動チームという小グループを編成し、チーフを中心に自治を行うという形で班制教育を行う。また進歩制度では、ボーイ隊にて菊・1級を取得したものはそのまま菊・1級の進級章を着用し、それ以外の者は入隊後にベンチャーバッジを着用し、ベンチャー章隼スカウト章富士スカウト章の取得を目指す。ベンチャースカウト部門では富士スカウト章がその最高ランクかつ進歩上の到達点として設定されている。その他に、技能章という特定分野への選択科目も設定されている(ボーイ隊と共通)。
    • ベンチャー隊のベンチャーは、「ベンチャー企業」の言い方に見られるように、チャレンジ精神旺盛な青年が冒険をしている姿をイメージしている。
    • 18歳に達したスカウトは、自動的に、ローバー隊か指導者を選択することができる。
    • ベンチャースカウトがベンチャー隊にとどまれるのは、18歳に達する日以後の最初の3月31日までである。
  • ローバースカウト(18歳以上25歳以下。大学生・大学院生・勤労青少年)

    ローバースカウト」を参照

    • ローバー隊は自ら自治規則(憲章)を設定し、隊(クルー)の型を決め、自治原則により運営される。
    • ローバー隊の活動は、ローバースカウト自らが実施する自己研鑽と、隊(クルーまたはグループ)が行う奉仕活動、社交活動及びその他のプログラム活動とによって行われる。
    • ローバー隊のローバーには、「さすらう」「漂流する」という意味があり、自己の研鑽をすることをイメージしている。B-Pの著書「ローバーリング・ツー・サクセス」 (Rovering to Success, 1922) から命名された。

という5つの部門に分かれ、活動を行っている。

進歩制度

ボーイスカウトの進歩制度」を参照

[icon] この節の加筆が望まれています。

ボーイスカウトの少女・女性とガールスカウトとの関係

日本のボーイスカウト運動における女性の参加は、カブ隊におけるデンマザーのように、限られた役割を果たしているだけであったが、世界スカウト会議における「スカウティングにおける成人」および「スカウト運動における少年少女と男女に関する方針」を受けて、日本でも女性の指導者と少女のスカウトが誕生した。その背景には、女性の社会進出や男尊女卑の撤廃、女性ならではのソフト面の対応への期待等があげられる。

ガールスカウトは、ボーイスカウトの目標(良き社会人の育成)に加えて、「自立した女性の育成」という目標ももっているため、受け入れの対象は少女のみであり、特に少年に対応したプログラムはもたない。一方、ボーイスカウトは、少女の受け入れをしており、裁縫料理介護応急処置などの、いわゆる女性的なプログラムをもつ。しかし、全ては良き社会人となるためのプログラムであるため、少年だからやらない・少女だからやる、という区別はない。

ボーイスカウトの団の中には、少女がいる隊には女性のリーダーを必ず配置したり、キャンプ等の際、女子専用のテントを増設したりする等、少女に対して配慮をしている団も存在する。ただし、まだ少女の受け入れをしていない団もあり、それはその団のカラーであり特色であるとして容認されている。

ボーイスカウトとガールスカウト(ガールガイド)はルーツが同じである為、共通する事項も多い。

  • モットーはどちらも同じ「そなえよつねに」である。
  • スローガンは、ボーイスカウトは『日日の善行』、ガールスカウトは、『一日一善』だが、 英語表記では、Daily Good Turn. または Do a good turn daily.と共通しており、意味は同じである。
  • 入団式を経た後に初めてスカウトの象徴である「制服」と「ネッカチーフ」の着用を許される。

ガールスカウト日本連盟の英語表記が、Girl Scouts of Japanであるのに対し、ボーイスカウト日本連盟の英語表記は、Scout Association of Japanとなっている。boyと表記されないのは、加盟している少女や女性に対しての配慮である。

2015年日本で開催の第23回世界スカウトジャンボリー(23WSJ)に先立ち、同年4月1日に正装、記章・標章類に関する教育規程の改正が施行され、新制服紹介ページには、各種制服写真は男女モデルが並んで掲載されている[2]。デザイン(パターン)上は男女の差が無く兼用となっており、指導者(20歳以上)用のスカートも廃止された。男子はハット、女子は中折れ帽かハットを隊で統一して着用することになり、ベレー帽は廃止された。なお、旧制服、記章、標章等は移行期間の終了する2018年8月31日まで、旧規定に基づき着用可。

組織