軽空母(Light aircraft carrier)Ⅰ【…前半】
現在の軽空母
現在就役中のハリアーを艦載機とする(過去にしていた)軽空母には、以下のものがある。
「ジュゼッペ・ガリバルディ」(手前)と「ハリー・S・トルーマン 」(奥)
その他に、軽空母ではないがアメリカ海兵隊の強襲揚陸艦がハリアー IIを運用している。欧州諸国のいわゆる軽空母より大型で、強襲揚陸作戦のための兵員と装備を搭載している。
ハリアー以外の固定翼艦載機を運用する空母には、二つの種類がある。ひとつはカタパルトで発艦し、着艦拘束装置を利用するCATOBAR(Catapult Assisted Take Off But Arrested Recovery)方式であり、もうひとつが、スキージャンプ台などを用いた短距離離陸と着艦拘束装置を組み合わせたSTOBAR(Short Take Off But Arrested Recovery)方式である。STOBAR方式がCATOBAR形式より運用機種や発艦重量に限定がかかることを理由としてSTOBAR方式のロシア海軍「アドミラル・クズネツォフ」を軽空母に分類しようとする執筆者が稀に見受けられるが、「アドミラル・クズネツォフ」は正規空母としても中型の排水量を持ち、またCTOL機を運用できていることから、一般には正規空母に分類され、軽空母への分類は誤りとされている。
今後、STOBAR方式の採用国としてインド海軍と中国海軍が加わるものとみられている。
海上自衛隊の軽空母
詳細は「海上自衛隊の航空母艦建造構想」を参照
海上自衛隊初の全通飛行甲板を備えた護衛艦であるひゅうが型護衛艦
日本の海上自衛隊は、その前身である1952年の海上警備隊設立から2015年現在に至るまで、固定翼艦載機を搭載した艦艇を保有していない。
2009年に就役したひゅうが型ヘリコプター搭載護衛艦(通称16DDH)でのSTOVL機の運用が議論されることがある。現状ではヘリコプター以外の航空機の搭載は発表されておらず、STOVL機の運用が可能であるという発表もなされていないものの、2013年6月10日から26日まで米国のカリフォルニア州キャンプ・ペンデルトンおよびサンクレメンテ島にて実施された統合訓練「ドーン・ブリッツ13」実施中の6月14日には、護衛艦「ひゅうが」の飛行甲板にアメリカ海兵隊のV-22オスプレイ垂直離着陸輸送機が初めて日本の艦艇に着艦している[9]。
脚注
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- 『世界の艦船別冊 世界の空母ハンドブック』 海人社、1997年。ISBN 4-905551-58-7。
- イギリス海軍 (2008年). “Aircraft Carriers - The Role of an Aircraft Carrier (CVS)” (英語). 2013年10月3日閲覧。
- 改型の「アドミラル・ゴルシコフ」を含めて4隻建造、満載排水量36,000トン、ヘリコプターとV/STOL機約30機搭載
- なお、ソ連海軍はキエフ級に「航空巡洋艦(重航空巡洋艦)」という名称を与えていたが、その理由は、空母のボスポラス海峡通過を禁じたモントルー条約を回避するためであり、空母であっても「巡洋艦」とみなすことで通過を可能とするためである。
- 満載排水量20,600トン
- 1985年、満載排水量13,850トン、航空機16~18機
- 2008年、満載排水量27,100トン、航空機18~20機
- 1997年、満載排水量11,500トン、航空機12~14機
- YOMIURI ONLINE オスプレイ、海自護衛艦「ひゅうが」に初の着艦 2013年6月15日
参考文献
- 福井静夫『世界空母物語』 光人社 1993年
- 世界の艦船 別冊「世界の空母ハンドブック」 海人社 1997年
- 世界の艦船 2002年9月号「世界の空母 2002」海人社
- 世界の艦船 2007年11月号「特集・現代の軽空母」海人社
- 柿谷哲也「世界の空母」イカロス出版 2005年
関連項目
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