五行思想

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五行
各種表記
繁体字 五行
簡体字 五行
拼音 Wǔxíng
注音符号 ㄨˇㄒㄧㄥˊ
ラテン字 wu3 hsing2
発音: ウーシング
閩南語白話字 Ngó͘-hêng[1]
日本語読み: ごぎょう
英文 Wuxing/Five Elements
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五行思想(ごぎょうしそう)または五行説(ごぎょうせつ)とは、古代中国に端を発する自然哲学の思想。万物はの5種類の元素からなるという説である。

また、5種類の元素は「互いに影響を与え合い、その生滅盛衰によって天地万物が変化し、循環する」という考えが根底に存在する。

西洋の四大元素説(四元素説)と比較される思想である。

 

目次

 

起源

五行の色、四季、方位を表した図

五臓と五腑

五行思想は、戦国時代陰陽家騶衍[2]紀元前305年頃 - 紀元前240年頃)が創始した。陰陽説は五行説と無関係に古くから存在したのに対し、五行説は陰陽説よりも後から出来たので、当初から陰陽説と一体であり、陰陽五行説といわれる。

一説によると、元素を5つとしたのは、当時中国では5つの惑星が観測されていたためだともいうが、後世の憶測説であり、そのような伝説なり主張が古典の中にあるわけではない。当時から知られていた5惑星の名称(水星金星火星木星土星)が五行説によっているのは後付けであり、本来の名は別にあった。

五行

自然現象の四季変化を観察し抽象化された、自然現象、政治体制、占い、医療など様々な分野の背景となる性質、周期、相互作用などを説明する5つの概念である。単に5種の基本要素(エレメント)というだけでなく、変化の中における5種の、状態、運動、過程という捉え方もされる。

木(木行)
木の花や葉が幹の上を覆っている立木が元となっていて、樹木の成長・発育する様子を表す。「春」の象徴。
火(火行)
光り煇く炎が元となっていて、火のような灼熱の性質を表す。「夏」の象徴。
土(土行)
植物の芽が地中から発芽する様子が元となっていて、万物を育成・保護する性質を表す。「季節の変わり目」の象徴。
金(金行)
土中に光り煇く鉱物・金属が元となっていて、金属のように冷徹・堅固・確実な性質を表す。収獲の季節「秋」の象徴。
水(水行)
泉から涌き出て流れる水が元となっていて、これを命の泉と考え、胎内と霊性を兼ね備える性質を表す。「冬」の象徴。

四季の変化は五行の推移によって起こると考えられた。また、方角・色など、あらゆる物に五行が配当されている。そこから、四季に対応する五行の色と四季を合わせて、青春、朱夏、白秋、玄冬といった言葉が生まれた。詩人、北原白秋の雅号は秋の白秋にちなんだものである。

五行
五色 紅(
五方 西
五時 土用
五星 歳星(木星 熒惑(火星 填星(土星 太白(金星 辰星(水星
五海 青海 紅海 黄海 白海 黒海
五音
五声
五臓 心包
五情
五志 喜・笑 思・慮(考) 悲・憂 恐・驚
五腑 小腸三焦 大腸 膀胱
五指 薬指 中指 人差指 親指 小指
五官[3]
五液
五塵 色(視覚 触(触覚 味(味覚 香(嗅覚 声(聴覚
五禁 鹹(塩辛さ)
五味の走る所 営・智
五主 筋・爪 血脈 肌肉・唇 皮毛 骨髄・髪
五事
五虫 鱗(爬虫類 羽( 裸(ヒト 毛( 介(カメ甲殻類貝類
五獣 青竜 朱雀 麒麟黄竜 白虎 玄武
五竜 青竜 赤竜 黄竜 白竜 黒竜
五麟 聳孤(しょうこ) 炎駒(えんく) 麒麟(きりん) 索冥(さくめい) 角端(かくたん)
五畜
五果
五穀 胡麻 大豆
五菜 山葵 藿(カク:の葉)
五常(五徳)
五経
五悪 熱・暑 湿 燥・寒 寒・燥
五変
五金 (青金) (赤金) (黄金) (白金) (黒金)
十干 甲・乙 丙・丁 戊・己 庚・辛 壬・癸
十二支 寅・卯 巳・午 辰・未・戌・丑 申・酉 亥・子
九星 三碧四緑 九紫 二黒五黄八白 六白七赤 一白
八卦 雷・風 山・地 天・沢

五行の生成とその順序