ビットコイン(Bitcoin)Ⅱ【初序】歴史 使用
表記
weusecoins.comによるビットコインの解説
頭文字の大小による意味の違いがあり、大文字表記 (Bitcoin) はプロトコルと取引ネットワークを、小文字 (bitcoin) は通貨自体を指す[42]。
通貨単位
ビットコインの通貨単位は「bitcoin(ビットコイン)」である。2014年現在、ビットコインを表わす記号にはBTC、XBT、がある[43]:2。補助単位としては、「mBTC(ミリ・ビットコイン)」、「µBTC(マイクロ・ビットコイン)」、「satoshi(サトシ)」が存在する。サトシはビットコインの作者であるサトシ・ナカモトを記念してつけられたビットコインの最小単位で、1億分の1ビットコインにあたる[44]。マイクロビットコインは100万分の1ビットコインで、単にビット(英語表記ではbitsと複数形となる)と呼ばれることもある。「1ビットコイン」を省略して「1ビット」と呼ぶ事例が日本国内で散見されるが、これは少なくとも海外での呼称とは乖離しており間違いである[45]。
2014年10月7日に、ビットコイン財団は、ビットコイン用のISO 4217通貨コードを申し込む計画を明らかにし[46]、BTCまたはXBTが主候補であるとした[47]。
2015年に、ビットコインの記号「」をUnicode(U+20BF)に追加することが認められた。
仕組み
ビットコインには中央銀行のような中央機関は存在せず、通貨の発行や取引はすべてピアツーピア・ネットワーク上で行われている。
ビットコインのすべての取引履歴はブロックチェーン[注釈 3]と呼ばれる台帳に記録される。ブロックチェーンはネットワーク上のノードに分散的に記録される。過去のすべての取引が記録されているため、これを見れば、取引の整合性を誰でも検証することができる。
支払いの際に売買間の電子的な記録や履歴は存在しない代わりに、買い手は公式トランザクションログ、ブロックチェーンの更新を要求する[50]。
全トランザクションリストには所有履歴が記載されており、分散ネットワークにより検証されている。
ネットワーク参加者達は採掘者として知られ、取引手数料や造幣収益を得ている[51]。
参加者達は、パソコン、モバイル端末、あるいはウェブ・アプリケーション上のウォレット(財布)ソフトウェアを使ってビットコインの受け渡しを行う。
取引の確認手続きとマイニング
送金者は、金額や受取人などの取引情報[注釈 4]を、ネットワークを構成するマイナー[注釈 5](採掘者)と呼ばれるノードにブロードキャストする。マイナーは、受け取った取引情報をブロックという形でまとめ、ブロックチェーンの末尾に追加する。ただし、新しいブロックを記録するためには計算量の大きな問題を解く必要がある。マイナーたちは競ってその問題を解き、最初にブロックを追加することに成功したマイナーだけが一定額の報酬を得ることができる。二重支払いなどの不整合性は、ブロックをブロックチェーンに記録する際に他のノードによってチェックされる。
問題は10分ほどで解けるように難易度が調整されており、送金者は、取引の整合性がマイナーたちによって確認され、ブロックチェーンに記録されるまで同程度の時間を待たねばならない。流通するすべての ビットコイン通貨は、このようにマイナーへの報酬という形で市場に供給される。
多数決による不正の防止
ブロックチェーンの概念図。最良のチェーン(黒)は最も長い取引履歴を持つチェーンである。その他に、孤立したチェーン(紫)も存在する。
ブロックチェーンは取引履歴が記録されたブロックが一本の鎖のように繋がったものと考えることができるが、場合によっては分岐することもある。例えば、悪意ある攻撃者が過去のブロックを改竄した場合や、複数のマイナーが同時にブロックを追加した場合である。
こういった問題を、ビットコインは「最も長いブロックチェーンを信頼する」という原則で解決している。「長い」というのは単純にブロック数が多いという意味ではなく、そのチェーンを構成するのにかかった計算量が大きいという意味である。言い換えれば、計算量を単位とした多数決である。
攻撃者が過去の取引履歴を書き換えても、その履歴が信頼されるためには、そこから派生するチェーンが他のチェーンよりも長くならなければならない。しかし、チェーンを構成するためには大きな計算量が必要となる。善意のマイナーたちは常に最も長いチェーンにブロックを追加し続けているため、攻撃者は、その総計算能力を上回る計算資源を投じ、改竄したチェーンを伸ばしていかなければならない。つまり、単一の攻撃者がネットワーク全体の過半数の計算能力を保持していなければならない。ビットコインに参加するノードの数が十分大きければ、そのような計算資源を確保するのは困難である。ビットコインはこの考え方(プルーフ・オブ・ワーク(英語版))に基づいて堅牢性を担保している。
複数のマイナーがそれぞれ個別のブロックを追加し、チェーンが分岐してしまった場合は、ネットワーク上の各マイナーはそのうちどちらかのチェーンを選んでマイニングに取り組む。さらに新しいブロックがどちらかのチェーンに追加された時点で、他方のチェーンは放棄される。
アドレスと財布
ビットコインはアドレス[注釈 6]に対応付けられて格納される。アドレスは公開鍵暗号ペアとして生成され、そのアドレスから送金する際には対応する秘密鍵が必要になる。
財布[注釈 7]はアドレスの集合である。ビットコインのウォレットにはいくつか種類がある。
ソフトウェアウォレット
Windows、MacOS、iOS、Androidなどのオペレーティングシステム上で動作するソフトウェアのウォレットのことである。
ハードウェアウォレット
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専用のハードウェアを使ったウォレットのことである。
ハードウェアウォレットのTrezor
ウェブウォレット
利用者に代わってウォレットを管理するウェブサービスのウォレットのことである。端末の種類にかかわらず利用できるため利便性は高いが、セキュリティ面はサービス提供機関に任せることになる。
ペーパーウォレット
紙にビットコインアドレスと秘密鍵を印刷したものである。クラッキングなどで秘密鍵が漏洩する危険性が無いため、最も安全である。
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bitaddress.orgによって作成されたビットコインペーパーウォレット
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開封明示シールが貼られ秘密鍵が隠されているビットコインペーパーウォレット(bitcoinpaperwallet.comによって作成)