メーザー
![]() |
この項目では、物理学用語・電子工学用語について説明しています。その他の用法については「メーザー (曖昧さ回避)」をご覧ください。 |
この記事には参考文献や外部リンクの一覧が含まれていますが、脚注による参照が不十分であるため、情報源が依然不明確です。適切な位置に脚注を追加して、記事の信頼性向上にご協力ください。(2017年1月) |
水素メーザー装置の一部(注:ピンク色の光はメーザーによるマイクロ波ではない。マイクロ波は肉眼では不可視である)
水素メーザー発振器の概要
メーザー(英語: maser)とは、誘導放出によってマイクロ波を増幅したりコヒーレントなマイクロ波を発生させたりできる装置のこと。Microwave Amplification by Stimulated Emission of Radiation(誘導放出によるマイクロ波増幅)の略称である。メーザーはレーザー同様、非常に指向性・単波長性が高い。指向性の高さから、先端科学用ピンポイント加熱装置などに用いられることがある。また、分子構造の解析にも利用される。メーザーはマイクロ波用電子管やマイクロ波用半導体素子よりもはるかに低雑音である。
目次
1原理
2歴史
3天体
4登場作品
5脚注
6参考文献
7関連項目
原理
レーザーと同様に反転分布を用いて電磁波を発生(発振)させる。固体メーザーにおいては常磁性共振による原子の放射を直接利用しており、適切なキャリアを封入したキャビティ(共振筒)内にマイクロ波を照射し、キャリアの共振によって発生する特定波長・コヒーレンスなマイクロ波を取り出すことによって得られる。
フォノンを増幅・発振させたフォノンメーザーも存在する。たとえば超低温としたクロムイオン含有ルビーにマイクロ波でポンピングを行い、超音波を発振させる実験が1963年に成功している。
電子管による発振で周波数を高めようとすると共振空洞を波長に応じて小型化しなければならず、そのため、二乗三乗の法則によって単位体積毎の表面積が相対的に増加するため、発振に必要とされる充分なプラズマを維持できなくなるので電子管による高周波化には限界がある。
歴史
理論研究の発表は1952年、ジョセフ・ウェーバーによって行われた。これは量子力学の応用に基づくものであった。実際の発振は1954年、コロンビア大学のチャールズ・タウンズらによる。これはレーザーの発明(理論:1958年・初の発振:1960年)に先行するもので、メーザーの開発発展がレーザーを生むことになった。
初の発振はアンモニアメーザーによって行われた。その後、1958年にルビー結晶メーザーが、1960年に水素メーザーが開発された。
これらの発見によって電磁波工学技術が飛躍的に発展した。また原子時計や極めて高精度の周波数カウント技術の発展に繋がった。
天体
誘導放出によってマイクロ波を発振している「メーザー天体」が宇宙には存在し、観測の対象となっている(メガメーザーなど)。
登場作品
映画やゲームなどの作品に、メーザーの名を冠した武器などが登場する。ただし、作品中の効果や設定の原理などは、実際のメーザーとは異なっていることが多い。
- 『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』及びその後の『ゴジラシリーズ』
- メーザーを攻撃に転用した「メーサー殺獣光線車」など、多様なメーサー兵器が登場する。
- 『超電子バイオマン』
- バイオロボによる必殺技(剣技)は「スーパーメーザー」と呼ばれる。
- 『機動戦士ガンダム』
- 登場するモビルスーツ、ゾックには「フォノンメーザー砲」という名称の武装が装備されており、以降のシリーズにも同名の武装を装備したモビルスーツが幾つか登場している。
- 『ファイナルファンタジーVIII』
- 「メーザーアイ」という攻撃技が存在する。
- 『サンサーラ・ナーガ』
- ファミリーコンピュータ用ビデオゲーム。主人公が装備できる最強の攻撃力を持つ武器として「メーザーほう」が登場し、精密機器と説明される。
- 『時空の覇者 Sa・Ga3』
- ゲームボーイ用ゲーム。雷属性のダメージを与える武器として「メーザーほう」が存在する。
- 『Marathonシリーズ』
- サードパーティーシナリオ「Rubicon」において、「ダンギ・メーザー」という武器が登場する。メーザーの特徴通り発射されても軌跡が見えず、威力の高い兵器となっている。
- 『魔法科高校の劣等生』
- 振動現象に関与する魔法が得意な登場人物が「フォノンメーザー」を発生させる魔法を使う。
- 『ファンタシースター 千年紀の終りに』
- 登場するアンドロイドの内蔵武器に「フォノンメーザー」が存在する。
ただし、近年の作品では「(超高出力の)マイクロ波照射」という名称が一般的になっている。
脚注
[] |
- 武藤敬、下妻隆「2. 高周波加熱技術ことはじめ(高周波によるプラズマ加熱技術入門) (PDF) 」 、『プラズマ・核融合学会誌』第82巻第6号、社団法人プラズマ・核融合学会、2006年、 376-390頁、 ISSN 0918-7928、 NAID 110006282078。
- 田幸敏治 (2007年11月1日). “フォトンテクノロジー技術部会講演要旨 (PDF)”. 社団法人日本オプトメカトロニクス協会. 2011年12月19日閲覧。
参考文献
- 長倉三郎ほか編 『岩波理化学辞典』 岩波書店、1998年、第5版。ISBN 4-00-080090-6。
- 霜田光一「量子エレクトロニクスの変遷」、『日本物理學會誌』第51巻第3号、社団法人日本物理学会、1996年、 179-184頁、 ISSN 0029-0181、 NAID 110002077069。
関連項目
![]() |
ウィキメディア・コモンズには、メーザーに関連するカテゴリがあります。 |
![]() |
この項目は、電子工学に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(Portal:エレクトロニクス)。 |
カテゴリ: