ロッキード事件 最高裁判所判例 事件名外国為替及び外国貿易… 

 

多論

アメリカ陰謀説

ロッキード事件はアメリカ当局が仕掛けた陰謀だ、という説がある。 ホワイトハウス在住記者ジュリー・ムーン文明子)がヘンリー・キッシンジャー国務長官に「ロッキード事件はあなたが起こしたんじゃないんですか?」と問いただしたところ、キッシンジャーは「オフ・コース(もちろんだ)」と答えている[14]

諸説

ヘンリー・キッシンジャー(左)とジェラルド・フォード(右)

中曽根康弘は自著で、事件当時のジェラルド・フォード政権の国務長官であったヘンリー・キッシンジャーが東京に来た際、『ロッキード事件をあのように取り上げたのは間違いだった』と中曽根に語り、「キッシンジャーはこういうことはやるべきでなかったと反対したらしい」と記述している。さらに同著では「ロッキード事件の原点は角栄の石油政策にある」とも述べている[15]。 メルビン・レアード国防長官はP-3Cの輸入を中曽根に持ち掛けた時、「彼はがっかりしていた。国産化するくらいならP3Cの開発費を負担したらどうかと提案したが、同意しなかった。」と語っている。 その他にも、この事件が発覚する過程において贈賄側証人として嘱託尋問で証言したロッキードのコーチャン副社長と元東京駐在事務所・クラッター代表が無罪どころか起訴すらされていない点、ロッキード社の内部資料が誤って上院多国籍企業小委員会に誤配されたとされる点など、事件に関連していくつもの不可解な点があったため、ソビエトアラブ諸国からのエネルギー資源の直接調達を進める田中元首相の追い落としを狙った石油メジャーとアメリカ政府の陰謀だったとする説、または中国と急接近していた田中元首相を快く思っていなかったアメリカ政府が田中元首相を排除する意味があったとする説が田原総一朗の書いた記事などで当時から有力だが、田中元首相による中国との国交成立に反発していた右翼自民党福田派、その他、田中元首相の政治手法を良しとしない者達が警察と絡んで仕組んだ陰謀説もある。

三木が人気取りと内閣の延命を狙って検察を使い、田中を逮捕したという説もある[16]。また、検察がP-3Cの導入がらみの事件を全日空トライスター受注をめぐる事件としてロッキード事件を捏造したとする説もある[17]

アメリカの国家安全保障担当補佐官リチャード・V・アレン英語版)によると、ニクソン大統領自らP-3Cなどの軍用機導入を迫ったアメリカの狙いを「日本が我々の軍用機を購入すれば、我々の懐を痛めることなく、日本の金で我々の軍事力を増大することができます。加えて、私たちが望んでいた日本の軍事的役割の強化にもつながるのです。」と語っている。

田中の側近だった石井一は今でも田中が金を貰ったと信じたくないが、あるとすればトライスターではなくP3Cではないか。P3Cに疑惑が及ばないように何か巨大な圧力が働き田中1人に罪を負わせたのではないか。と考えている。「軍用機でこういう問題が起こるとね、これは両国政府がもろに被る事になる。国家体制を基本的に揺るがす問題になりかねない。総理大臣1人の罪という様な事にはいかなくなってくる。」とインタビューに答えている。田中の逮捕後アメリカから資料の提供も受け、情報が漏れないように印刷には出さずに秘書に手書きさせ、見立てをまとめていた。

久保卓也は防衛次官時代の1976年2月9日、ロッキード事件の一因である次期対潜哨戒機(PX-L)の国産化が白紙還元された事件のいきさつについて「田中の部屋に後藤田正晴官房副長官、相沢英之大蔵省主計局長が入って協議した結果で、防衛庁は知らされていなかった」と記者会見で語った。これは田中らがロッキード社の要請を受けて国産化を白紙還元したというニュアンスを持つため、大きな波紋を呼ぶこととなった(いわゆる「久保発言」)。 後日当時の状況を確認され久保の発言に誤りがあったことが明らかとなり、久保は坂田長官から戒告処分を受け、その後の深夜の記者会見において記憶違いを声を震わせながら謝罪することとなる。特に内務省の先輩で、1974年の参院選落選以後、浪人として国政復帰を目指していた後藤田はこの発言に激怒して、久保に事実関係を厳しく確認し、明確な謝罪を要求するに至った。久保が1976年半ばと比較的早い時期に次官を退任したのはこの「久保発言」が原因とも言われている。その後この事件は報道されなくなった。

誤配説について

ただし、誤配説に対しては『ロッキード社の監査法人であるアーサー・ヤング会計事務所がチャーチ委員会から証拠書類の提出を求められ、すぐに証拠書類を提出したものの、顧客秘守義務の観点から、すぐに手渡してしまったということが判明するとロッキード社との関係上都合が悪いため、事実を隠すために誤配説を流布した』という説もある。[要出典]また当初アメリカ政府が日本の国内事情を考慮して捜査資料の提供を渋っていた事実もある。

アメリカ人関係者の不起訴と秘密工作