超階乗
超階乗(ちょうかいじょう、英: superfactorial)とは階乗を拡張した関数であり、{\displaystyle n\$} と表記される。超階乗には、幾つかの異なる定義が存在する。
目次
ピックオーバーの超階乗
クリフォード・ピックオーバー(英語版)は1995年に Keys to Infinity において、次の超階乗を定義するために新しい表記 {\displaystyle n\$} を用いた。
- {\displaystyle n\$=\underbrace {{n!}^{{n!}^{\cdot ^{\cdot ^{\cdot ^{n!}}}}}} _{n!}}
ハイパー演算子、テトレーション、クヌースの矢印表記、コンウェイのチェーン表記を用いた場合は次のようになる。
- {\displaystyle n![4]n!}
- {\displaystyle {^{n!}n!}}
- {\displaystyle n!\uparrow \uparrow n!}
- {\displaystyle n!\uparrow \uparrow \uparrow 2}
- {\displaystyle n!\rightarrow n!\rightarrow 2}
- {\displaystyle n!\rightarrow 2\rightarrow 3}
例
- {\displaystyle {\begin{aligned}0\$&={}^{0!}0!={}^{1}1=1,\\1\$&={}^{1!}1!={}^{1}1=1,\\2\$&={}^{2!}2!={}^{2}2=2^{2}=4,\\[0pt]3\$&={}^{3!}3!={}^{6}6=6^{6^{6^{6^{6^{6}}}}}=6^{6^{6^{6^{46656}}}}\approx 6^{6^{6^{2.7\times 10^{36305}}}},\\4\$&={}^{4!}4!={}^{24}24=24^{24^{24^{24^{24^{24^{24^{24^{24^{24^{24^{24^{24^{24^{24^{24^{24^{24^{24^{24^{24^{24^{24^{24}}}}}}}}}}}}}}}}}}}}}}}.\end{aligned}}}
0$, 1$, 2$
超階乗は通常は巨大な数になるが、0, 1, 2 の超階乗はそれぞれ 0$ = 1$ = 1, 2$ = 4 と小さな値にしかならない。
3$ の下4桁
3$ は、巨大な数とはいえ、その構造は驚くほど単純である。すなわち、幾つかの「6」の掛け合わせに過ぎない。「6」を順次掛けていって、下4桁の数の出現の様子を精査すると、最初から数えて4番目の数から125個の数が循環[1]して現れる。この性質に着目すると、3$ そのものは計算によって全ての桁を求めることは事実上不可能であるが、その下4桁の数が「8656」であることは直ぐに分かる。
5$ の下位桁の数
5$ は 3$ よりもさらに巨大な数であり、計算によって全ての桁を求めることは事実上不可能であるが、120n = 12n × 10n であるため、下位48%あまりの桁が0となる自然数である[2]。
スローンとプラウフの超階乗
ニール・スローンとサイモン・プラウフは1995年に The Encyclopedia of Integer Sequences において、最初の {\displaystyle n} 個の階乗の積として超階乗を定義した。
- {\displaystyle n\$=\operatorname {sf} (n)=\prod _{k=1}^{n}k!}
この超階乗はファンデルモンド行列の行列式としても与えられる。
- {\displaystyle \operatorname {sf} (n)=\prod _{0\leq i<j\leq n}(j-i)}
この超階乗は次の式を満たす。ここで {\displaystyle G}バーンズのG関数、{\displaystyle H} はハイパー階乗である。
は- {\displaystyle \operatorname {sf} (n)=G(n+2)={\frac {\left(n!\right)^{n-1}}{H(n-1)}}}
最初の幾つかの値は次のように与えられる。
- 1, 1, 2, 12, 288, 34560, 24883200, 125411328000, ... オンライン整数列大辞典の数列 A000178
注
- ^ 一般に任意の整数の下4桁を考えることは、その整数を群 {\displaystyle \left(\mathbb {Z} /10000\mathbb {Z} \right)^{\times }} の元に落として考えるのと等価で、この群の位数は {\displaystyle \phi (10000)=10000\left(1-{\frac {1}{2}}\right)\left(1-{\frac {1}{5}}\right)=4000} だから、各整数の下4桁に注目したときの循環節の長さは 4000 の約数だが、{\displaystyle \phi (16)=8} , {\displaystyle \phi (625)=500} なので、殆どの整数で循環節の長さは 4000 よりもずっと少ない。
- ^ 5$ は {\displaystyle 5\$=\operatorname {hyper4} (120,120)=120^{\operatorname {hyper4} (120,119)}=12^{\operatorname {hyper4} (120,119)}\times 10^{\operatorname {hyper4} (120,119)}} となるため、下hyper4(120,119)桁が0であり、その割合は正確には {\displaystyle {\frac {\operatorname {hyper4} (120,119)}{10^{-2}\left(\left\lfloor \operatorname {hyper4} (120,119)\log _{10}{120}\right\rfloor +1\right)}}\%} であり、これはおよそ 48.0958551305% である。
関連項目
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