火山噴火の歴史 Ⅳ【後半】20世紀 【前半】
1951年 - 2000年まで
発生年
火山名
概要
45. 1951年 - ラミントン山 - 火砕流により死者2,942名。
46. 1952年 - ベヨネース列岩 - 昭和27年9月24日、明神礁の海底噴火により海上保安庁観測船第5海洋丸が遭難、乗員31名全員殉職。
47. 1954年 - ムラピ山 - 1月、死者64名、家屋損壊144戸、牛59頭の被害[29]。
48. 1955年 - 桜島 - 昭和30年10月13日から17日までに8回の爆発・噴火、死者1名・負傷者7名または9名の人的被害および農作物被害。これ以降2001年現在に至るまで断続的に爆発が続く。
49. 1957年 - 三原山 - 昭和32年10月13日、噴火により火口付近で観光客1名死亡、重軽傷53名。
50. 1958年 - 中岳 - 昭和33年6月24日、噴石により死者12名、負傷者28名、建造物に被害。
51. 同年 - 大雪山 - 昭和33年7月26日、御鉢平有毒温泉付近で火山性ガスにより登山者2名死亡[資料 5]。
52. 1961年 - ムラピ山 - 5月、死者6名、家屋損壊104戸、牛19頭の被害[29]。
53. 同年 - 大雪山 - 昭和36年6月18日、御鉢平火口底で火山性ガスにより登山者2名死亡[資料 5]。
54. 同年 - 浅間山 - 昭和36年8月18日、噴石により行方不明者1名、耕地に被害[資料 5]。
55. 1962年 - 焼岳 - 昭和37年6月17日、水蒸気爆発による噴石により火口付近の山小屋で負傷者2名。
56. 同年 - 十勝岳 - 昭和37年6月29日、噴火噴煙12,000メートル上昇、降灰は知床半島、千島列島に達する。大正火口付近にあった硫黄採掘現場宿舎の作業員5名が死亡、負傷者11名。大正火口の採掘がその後中止される[59]。VEIは3[27]。
57. 同年 - アグン山 - 火砕流などにより死者1,148名[30]。
58. 1964年 - 桜島 - 昭和39年2月3日、爆発。噴石により下山途中の高校生が被災し重軽傷7名[58]。
59. 1965年 - タール山 - ベースサージにより死者150名[60]。
60. 1966年 - 口永良部島 - 昭和41年11月22日、爆発。噴石により負傷者3名、牛被害1頭。
61. 1969年 - ムラピ山 - 1月、噴火・土石流により死者6名、家屋損壊322戸、農地245haの被害。
62. 1973年 - 桜島 - 昭和48年6月1日、爆発。最大でこぶし大の噴石により車100台に被害、負傷者1名。
63. 同年 - 爺爺岳 - 昭和48年7月14日から28日にかけてマグマ水蒸気噴火(ストロンボリ式噴火、サブプリニー式)[資料 12]。VEIは4。根室市でも降灰を観測[27]。
64. 1974年 - 桜島 - 昭和49年6月17日と8月9日の合計で死者8名[資料 4]。
65. 同年 - 新潟焼山 - 昭和49年7月28日、噴石により山頂付近で登山者3名死亡[資料 5]。
66. 1975年 - トルバチク山 - トルバチクの大噴火が1年以上継続、植物は400km2に渡って全滅、噴出物は2kmに飛散、火山性ガスの流速は音速を超え、火山灰の堆積深は7mに達している
。
67. 1977年 - 有珠山 - 昭和52年8月7日午前9時12分より山頂カルデラ、小有珠斜面からのプリニー式の軽石噴火で始ま、降下火砕物により住宅被害196棟、死者2名。
68. 1978年 - 桜島 - 昭和53年7月29日から8月1日にかけて爆発、火山礫による負傷者3名、自動車・家屋窓ガラス破損、鹿児島県鹿児島市吉野町で停電家屋2,500戸の被害が発生。
69. 同年 - 有珠山 - 昭和53年10月24日、前日から続く降雨により山周辺ほぼ全域で発生した土石流により死者2名、行方不明者1名、軽傷2名、家屋被害196棟。
70. 1979年 - 阿蘇山 - 昭和54年6月13日15時10分に噴煙高度1,500 - 2,000mの噴火。同年9月6日にも爆発的噴火を起こし、噴石により死者3名、重軽傷11名、火口東駅舎被害。12月中旬まで活発な活動が続いた。
71. 1980年 - セントヘレズ山 - 昭和55年5月18日8時32分 (PDT) の山体崩壊により岩屑雪崩と爆風が発生、岩屑雪崩の末端は山頂から28キロメートル地点まで達し[65]、噴煙は上空18,000メートルに達した[66]。
火砕流などにより死者57人。
山の標高は1日で300メートル以上低くなり、広島型原爆2万7000個分に相当するエネルギーが放出された。
爆風の速度は時速480km、約840km2の範囲に広がり、発生した火砕流は土砂量12億m3、時速80 - 130km、摂氏700度以上と見積もられている。
72. 1981年 - 阿頼度山 - VEI4に達する大噴火を観測。
73. 1982年 - エルチチョン山 - 火砕流などにより死者1,879名[30]。
74. 1983年 - マウナ・ロア山 - 1月から始まった噴火による玄武岩質マグマが時速16kmもの速さで斜面を流下した。このような流れやすいマグマは稀で、火口における溶岩温度は摂氏1,100度と見積もられている。
75. 同年 - 三宅島 - 昭和58年10月3日14時頃からの群発地震に続き、15時15分から二男山付近で割れ目噴火が開始。
17時過ぎには約3kmに及ぶ溶岩噴泉を経て20時以降に少数の火口からストロンボリ式噴火。最終的に割れ目は総延長4.5km、火口数は90カ所以上に達し、火山灰が住宅・農地・山林に降り積もり被害を与えた。
76. 1985年 - 桜島 - 昭和60年7月21日、降灰による踏切遮断機誤作動により普通列車と乗用車が衝突事故、負傷者1名。
77. 同年 - ネバドデルルイス火山 - 11月13日の中規模軽石噴火による高温噴出物が山体斜面の万年雪を融解、土石流となって東麓を50キロメートル流下、麓のアルメロ町および近隣町に直撃し死者23,000名以上、負傷者5,485名、崩壊家屋5,680戸、被害者総数17万人。
78. 1986年 - 三原山 - 昭和61年7月より始まった火山性微動観測が前兆現象と考えられている。
11月15日17時25分頃、中央縦穴火口南壁から噴火開始、噴煙高度は3,000mに達した。
11月15日から19日までの噴出物量は約2,930万トン、11月21日の噴出物量は2,900万トン。
この想定外の大噴火により、噴火活動開始直後は観光客増加を見込み大歓迎していた島民らは混乱し、全島民約11,000人の島外避難が行われることになった。
79. 同年 - 桜島 - 11月23日、直径2m、約5tの噴石がホテルを直撃、重軽傷6名。付近の飼料乾燥室全焼。
80. 1989年 - 手石海丘 - 平成元年7月13日、静岡県伊東市沖の手石海丘で海底噴火、海底に直径約200mの火口を有する高さ約10mの海底火山が形成[資料 。
マグマ噴出量は 0.00004 DREkm3、VEIは1。
81. 1990年 - 雲仙岳 - 溶岩ドームの生成・崩壊による火砕流が繰り返し発生し、最盛期には火砕流下約6,000回を数え、1995年2月に噴火収束[39]。1990年(平成3年)5月26日の火砕流で負傷者1名。
82. 同年 - キラウエア火山 - この年と翌1991年の噴火による溶岩流で近在のカラパナ村が壊滅、建造物被害100戸。
83. 同年 - ケルート山 - 30名以上死亡、負傷者数百名。
84. 1991年 - 雲仙岳 - 平成3年6月3日、火砕流などにより報道関係者を中心に遭難、死者43名・行方不明者3名・負傷者9名、建造物被害179棟。
6月8日には3日を上回る大火砕流が発生し水無川沿いに約5.5km流下、9月15日の火砕流では南島原市立大野木場小学校が焼失。平成新山形成。
2014年の御嶽山噴火が発生するまでは戦後最大の人的被害。
85. 同年 - ピナトゥボ山 - 6月12日に火山噴出物の堆積による建造物倒壊で死者約800人。噴火の影響によりアメリカ軍クラーク空軍基地が使用不能となり撤退。
6月15日13時42分に発生した最大噴火は20世紀最大級とされており、噴煙柱最大高度は成層圏である40kmに達し、火砕流は18km流下、火砕流堆積物総量は48ないし71億m3と推定、噴火直後の温度は摂氏700度、堆積深100mを超えたため山腹の樹木・生物を全滅させた。
86. 1993年 - 雲仙岳 - 平成5年6月23日より翌24日にかけて火砕流により死者1名、多数家屋焼失。
87. 1994年 - ムラピ山 - 60人以上死亡、森林焼失700ha[29]、約6,000人が避難[44]。
88. 同年 - タブルブル山
ブルカン火山(英語版) - 同時噴火によりラバウル市が壊滅的被害。直前噴火予測により全住民避難、死者5名。
89. 1995年 - 焼岳 - 平成7年2月11日、南東山麓の工事現場で熱水性の水蒸気爆発発生、作業員4名死亡。
90. 同年 - パーカー山(英語版) - 噴火口崩壊により少なくとも死者70名、行方不明者30名。
91. 1997年 - モントセラト島 - 降灰により臨時首都ブレイズが壊滅状態となり、火砕流により20名が死亡または行方不明[44]。
92. 1998年 - 硫黄岳 - 水蒸気爆発と思われる火山性地震を観測したほか、現地調査にて火山灰の放出と東中腹での降灰を確認。
93. 同年 - エトナ火山 - 4カ所の火口から同時噴火、溶岩噴泉と噴煙が続いた。
94. 2000年 - 有珠山 - マグマ水蒸気爆発による噴煙は上空3,500mに達し、噴出量は2.2×108kg。噴火を事前に予知し、住民約10,000人を避難させることに成功。VEIは2。
95. 同年 - 三宅島 - 8月18日14時に最大のマグマ水蒸気爆発が発生、噴煙は上空15,000mまで達し、中腹の村営牧場地区で火山岩塊・火山弾により牛15頭の被害、
岩脈貫入、海底噴火、カルデラ、火山灰や低温火砕流、火山ガスの放出が同時発生した、有史では前例のない種類の活動。2000年6月から9月にかけての3回の噴火により群発地震およびM6.4の地震が発生、1名死亡。
VEIは3、9月12日に計測された噴火口からの二酸化硫黄排出量平均は42万トン/日となっており、世界でも類を見ない。