インデックスファンド
インデックスファンドとは、ファンドの基準価額がある指標(インデックス)と同じ値動きを目指す運用をする投資信託のこと。パッシブファンドとも呼ばれる。
通常当該ファンドがベンチマークとする株価指数に採用されている銘柄群と全く同様の銘柄構成[1]を採り、各企業の株式のファンドへの組み入れ比率も株価指数への影響度に比例した割合となる。
また株価指数の銘柄入れ替えが発生した際には、当該ファンドも指数の対象から外れた企業の株式を売却し、新たに指数に採用された企業の株式を購入する動きを取ることから、指数から外れた企業にとっては株価の下落要因に、新規採用企業にとっては株価の押し上げ要因となる。
目次
1歴史、背景、理論
2インデックスファンドの構成方法
2.1トラッキングエラーとその要因
3インデックスファンドの種類
3.1連動を目指すインデックスの種類
4注・出典
歴史、背景、理論
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大多数の投資信託の運用成果はインデックスに及ばない。このことは学界では知られていたが、バートン・G・マルキール(Burton Malkiel)が1973年に著した『ウォール街のランダム・ウォーク』(A Random Walk Down Wall Street)[2]によって一般に広く知られることとなった。「そうだとしてもインデックスに直接投資することはできないのではないか」という反応に対し、マルキールは「そのうちできるさ」と答えた。
1975年12月31日、バンガード・グループ創業者ジョン・ボーグル (John Bogle)によって初のインデックスファンドが設定された[3]。 このファンドは次第に人気を呼び、2000年にはフィデリティ・インベストメンツが運用していたマゼラン・ファンド(おそらく世界で最も著名なアクティブファンドである)を純資産額で追い越した。
インデックスファンドの構成方法
インデックスファンドの構築方法には主に以下の3つの手法がある。
- 完全法
- インデックスを構成する銘柄全てをインデックス構成比率に従って売買する方法。インデックスと全く同じ構成で現物を保有するので、インデックスへの連動性は高くなる。インデックス構成比率どおりに投資するにはある程度の資産額が必要になる。インデックスの銘柄変更、割合変更の都度売買が発生するので売買コストがかさむ。
- 抽出法
- インデックスを構成する銘柄全てではなく、その一部だけを売買することでインデックスへの連動を目指す方法。完全法と比較して保有銘柄が少ないので売買コストがかかりにくく、資産額が小さくてもファンドを構築しやすい。その一方インデックスと構成銘柄や構成割合が違うことがトラッキングエラーの原因となる。
- シンセティック・リプリケーション
- 現物とデリバティブ取引を組み合わせてインデックスへの連動を目指す方法。銘柄入れ替えや割合の変更で発生する現物株バスケットとインデックスとの乖離部分をデリバティブで埋める手法。
トラッキングエラーとその要因
トラッキングエラーとは、インデックス投資においてインデックスファンドやポートフォリオの値動きが、対象とするインデックスからどれほど乖離しているかを表す指標。ファンドやポートフォリオのリターンとインデックスの値動きの標準偏差であらわされ、インデックスファンドのリスクの指標とされる。
トラッキングエラーの主な要因としては
- 売買時間の不連続性
- 売買単位の不連続性
- 運用コスト
が挙げられる。
1に関しては構成銘柄の重みの変動やファンドの追加や解約によるキャッシュの移動により構成銘柄を売買しなければならない場合が発生したとき、理想的には都度売買を繰り返して理想の構成比率にできればよいが、売買手数料の面から現実には不可能である。よってある特定の時期にしか取引しなくなることにより、理想の構成比率から乖離が生じることになる。
2に関しては純資産に構成銘柄の重み付けをした場合に銘柄の売買単位に対して端数が生じてしまうことによる。このため、インデックスの重み付けをそのまま採用する(完全法と呼ぶ)のではなく、ファンドの資産からインデックスとの乖離を少なくするように銘柄の重み付けを最適化する方法(最適化法と呼ぶ)がよく用いられる。
3に関しては実際の運用にかかる費用(売買手数料、信託報酬、税金)がファンドの資産から差し引かれることにより生ずる。この金額に関しては運用報告書の実績によって確認することができる。
インデックスファンドの種類
インデックスファンドは、いわゆる上場されていない狭義の投資信託と、指数連動型の上場投資信託の2種類が存在する。通常は、前者のみをインデックスファンドと称する。
連動を目指すインデックスの種類
インデックスファンドが連動を目指すインデックスとして主に以下のようなものがある。
- 株価指数
- 日経平均株価 (日本)
- 東証株価指数(TOPIX) (日本)
- ダウ平均株価(米国)
- NASDAQ総合指数(米国)
- S&P 500(米国)
- MSCIコクサイ・インデックス(日本を除く先進国)
- FTSEカイガイ・インデックス(日本を除く先進国)
- 債券指数
- NOMURA-BPI(日本)
- シティグループ世界国債インデックス(世界)
- リーマン・ブラザーズ米国総合インデックス(米国)
- REIT
- S&Pシティグループ・グローバルREITインデックス(世界)
- 東証REIT指数(日本)
- コモディティ
- ロイター・ジェフリーズCRB指数
- ダウ・ジョーンズAIGコモディティ指数
注・出典
- ^ 対象とする指数が数百種など多数の銘柄で構成されている場合は、都合上そのすべてをファンドの構成銘柄としない場合もある。
- ^ バートン・マルキール著『ウォール街のランダム・ウォーク』 ISBN 978-4532352608
- ^ 「バンガード500インデックス・ファンド」
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