諜報活動

諜報活動(ちょうほうかつどう, Intelligence assessment)とは、もっぱら国家の安全保障にまつわる、収集をはじめとした[1]情報に関する活動である。

 

目次

1概要
2情報収集の手段
2.1公開資料
2.2人間
2.3画像
2.4電波、電子信号
2.5化学
2.6装備の研究
2.7他機関との協力
3日本の情報機関と主に用いる手段
4脚注
5関連項目
6参考文献

概要

主に情報機関によって行われ、外国の軍事・政治・経済に関する情報を収集する場合が多い。特に秘密・非合法的手段による情報収集をスパイ活動(Espionage)という[要出典]

そもそも諜報とは「謀:はかりごと」に関わる情報をあつかう作業であり、狭義には情報収集を意味するが、広義には分析、評価などの活動が含まれる。インテリジェンス(intelligence)とは、行間(inter)を読む(lego)という意味である[2]

インテリジェンスについて、戦前の陸軍参謀本部は「秘密戦」と呼び、「諜報(密かに情報を収集する)」「防諜(スパイの摘発などの情報防衛)」「宣伝(自らが有利に立つ情報を流す)」「謀略(相手につかませた情報により自らに有利な状態をつくる)」の4分類を行っていた。

また暗号の開発や読解(開錠)などに国家の最高レベルの知性が投入されることも珍しくない。第二次世界大戦におけるアメリカが持つ対数表の精度は世界最高水準であり、これが射撃精度や原子爆弾製造(マンハッタン計画)に影響を与えた。またエニグマなどの暗号解析技術には当時の世界で第一級の知性が投入された。

秘密・非合法な情報収集を防ぐ防諜や、暗殺破壊活動などの謀略活動などは「諜報」とは区分して考えることが一般的である。

情報収集の手段

諜報活動は、用いる手段により以下のように分類される。情報収集には決して秘密・非合法な手段ばかりが用いられるわけではない。収集した情報を分析・評価することで指導者が判断を下すために役立つ情報(インテリジェンス)を生産する。

公開資料

新聞・雑誌・テレビ・インターネットなどのメディアを継続的にチェックしたうえで、書籍・公刊資料を集めて情報を得る手法。英語では「オシント」(OSINT:Open source intelligence)と呼ばれる。各国の情報機関は、諜報活動の9割以上はオシントに当てられるとされる[3]

人間

人間を介した情報収集の方法。有識者から話を聞いたり、重要な情報に接触できる人間を協力者として獲得・運営し、そこから情報を入手する。英語では「ヒューミント」(HUMINT:Human intelligence)と呼ぶ。

各国の在外公館(大使館・総領事館など)には情報機関からの出向者などが駐在してヒューミントに従事している場合が多いが、彼らは赴任国で合法的なヒューミントを行うのが一般的である。合法的なヒューミントにとどまっている限りは犯罪ではないが、赴任国政府の防諜機関(日本の場合だと公安警察)は情報機関からの出向者を捜査対象としており、一線を超えた場合にはペルソナ・ノン・グラータが発動され、赴任国から退去を求められることになる。