宇宙を漂流する超巨大メタリック球体「CFBDSIR 214… Ⅰ【前半】
画像は「Disclose.tv」より引用
■巨大惑星は“金属製”だった!?
謎の天体と化したCFBDSIR 2149-0403を、フランス・グルノーブル大学の天文学者であるフィリペ・デローム氏は発見後も引き続き観察と分析を続けている。複数の電波望遠鏡を使って観察を重ねるうちに不可解な点がより増えてきたという。
孤独で自由なCFBDSIR 2149-0403であるが、これまで大まかな分類としては「かじき座AB星運動星団(AB Doraduss moving group)」に属していると考えられていた。しかし詳しく観察を続けて動きを分析してみると、CFBDSIR 2149-0403はかじき座AB星運動星団の一員ではないことが判明したのだ。この星の出自と属性について調べれば調べるほどますます謎は深まっていく。
観測と分析を続けるうちにさらに奇妙な点が浮き彫りになった。木星の4倍以上という見た目からすれば、CFBDSIR 2149-0403の重力はきわめて弱く、また惑星を構成している物質に鉄分が占める割合が異様なほど高いこともわかったのだ。もしも鉄分がかなりを占めているとすれば、これまでCFBDSIR 2149-0403の質量を導き出していた計算が不確かなものになる。そこでこれらの分析からCFBDSIR 2149-0403の正体を推測すると2つの仮説が浮上するという。
・木星の13倍以内の質量の(解釈を広げてたとえ1億2000万歳だとしても)“若い”浮遊惑星である。
・木星の40倍以内の質量の“老齢”(20~30億歳)な金属性の褐色矮星である。
どちらにしても前例のない奇妙な天体ということになるのだが、オルタナティブメディアの「Inquisitr」などによれば、第3の可能性もかなり濃厚であるという。それは“人工物である可能性”だ。そして人工物であるとの仮説は金属製であることの良い説明にもなるのである。さらにこの物体こそが進んだ地球外知的文明の存在の証拠になるという声も上がっている。
「Science Alert」の記事より
それにしても木星よりも大きな金属製の構造物を造れるとすれば、人類では足元にも及ばない優れた科学技術を有していることになるだろう。今後さらにCFBDSIR 2149-0403の詳細が明らかになることを期待したい。
(文=仲田しんじ)
参考:「Inquisitr」、「Disclose.tv」、「Science Alert」、ほか